著作権法の刑罰規定に関する問題点

後藤 宣一

無方式主義を取る著作権法の罰則に関し、刑事裁判例を網羅的に分析するとと もに、2012年10月1日に施行された、いわゆる違法ダウンロード刑事罰化をめぐ る問題点について検討した。その結果、著作権に詳しくない一般人に刑事罰が 科されるおそれがあるなどの問題点に対処するため、米国著作権法を参考にし た著作権表示を導入して民事上のみならず刑事上も活用すること、当該表示が 付されていないときは、原則として告訴前に警告することを実務慣行とすべきこと などを提言した。