ピンク・レディー事件上告審判決が示すパブリシティ権のゆくえ

佐藤 祥徳

 いわゆるパブリシティ権に関し、初の最高裁判決(平成24年2月2日ピンク・レディー事件上告審判決)及び調査官解説について、形式(人格権)と実質(財産権)が乖離しつつある状況を指摘して批判的に分析した上、判例法理による解釈・運用から新規立法に舵を切るべきであるとして、具体的な立法論を展開した。結論として、上記最高裁判決における到達点を、「肖像」、「顧客吸引力」、「商品等」の定義規定及び法定利用行為の規定として盛り込むとともに、登録制度、存続期間、損害額に関する推定規定などを導入すべきであるとした。