進歩性判断における発明の認定に関する考察
― 平成17年(行ケ)第10707号審決取消請求事件(知財高裁平成18年3月27日判決)―

道下 和明

進歩性判断理論の充実を目指して,侵害訴訟と同時に判決された審決取消訴訟を1つ取り上げ,審決および判決を詳細に分析した。発明の要旨認定と引用発明の認定に着目して考察し,いわゆるリパーゼ判決の判例としての運用のあり方や,引用発明の技術的理解の重要性を論じた。侵害訴訟における無効判断との関係にも言及した。