明細書における、新規事項について

樋上 善樹

明細書等における補正可能な範囲は、旧特許法53条のいわゆる「明細書の要旨変更」から、現行特許法17条の2第3項の当初明細書等に「記載された事項の範囲内」、いわゆる「新規事項追加禁止」へと法改正がなされ、審査基準も、旧法から現行法への移行に伴ってのみならず、現行法下でも幾つかの変遷を経てきている。本論文は、法律改正の経緯、及び、夫々の審査基準の改訂経緯・内容を整理、明確にした上で、各々の法律及び審査基準の下での補正可能な範囲の比較を行い、問題点を明確にし、なぜ、改正・改訂が必要であったかを検討し、それをふまえ、今後現行法が改正される際の方向性、あるべき姿について研究した。