医療行為における特許法制の在り方について

松下 裕紀

本論文は日本における医療行為に対する特許法の在り方についての論文である。現在、我が国の特許法の運用では医療行為は特許として認めない運用を行っている。しかし、近年、iPS細胞をはじめとした再生医療や遺伝子治療など医療の発達はめまぐるしく進歩し、それに伴って運用方針も変化していくことが予想される。しかし、運用方針が改定される場合には、様々な問題が発生する事が考えられる。特に医療行為という特殊性から特許化に反対する説が根強い。 そこで、本論文では、医療行為を特許の対象とした場合でも、医療行為を円滑に行うことができかつ特許権としての排他的独占権を満たすには、どのような政策を行えばよいか検討する。