中外製薬の抗原抗体についての特許戦略の研究

津田 恵

本報告は「エポジン」の特許戦略の研究に関する。本剤のライフサイクル延長戦略を調査すると、1985年に物質特許を、1986年に製法特許を出願している。またそれ以前に用途特許を出願し、物質特許から約5年ごとに時期をずらせて各種製剤の特許を出願している。基本特許は2005年に存続期間が満了しているが、製剤特許のそれは2015年まで存続する。また、抗アゴニスト抗体として改良されたと思われるR744がもうすぐ発売される。したがって、基本特許、製剤特許の存続期間が満了しても、腎性及び悪性腫瘍性貧血の分野で他社の参入を阻止し、市場優位性を保つことができ、製品のライフサイクル延長に成功していると考えられる。