最近の事例に基づく遺伝子の権利化に関する動向

根岸 忠志

1990年代の著しいバイオ技術の発展は、各国における遺伝子特許の審査基準についての問題を引き起こした。特に米国が他と比較して遺伝子特許の権利範囲が広いことが問題となった。それに伴い日米欧の三極特許庁において、それぞれの遺伝子特許に関する審査基準が確認された。しかしながら、ここでも米国の審査基準の違いが改めて明らかになった。 そこで本稿では、日米の遺伝子特許に関する審査基準を比較しつつ、日米欧の三極特許庁の比較研究があったときに日本にどのような遺伝子特許が出願されたのかを調査し、これからの遺伝子特許についての検討・考察を行った