大学等における知的資産を有効活用した産学連携 ―ライフサイエンス分野に着目して―

大屋知子

我が国では、各大学の保有する知的財産や研究・人的リソース等が以下のように戦略的に活用できていない。「日本の大学の実施料収入は米国と異なり特許登録件数と相関していない」、「日本の大学ではライフサイエンス分野の実施許諾料は全体の3分の1強で一番多いが、1件あたりの実施許諾料は他の技術分野と同等」等。そこで現状等を踏まえて、同分野での産学連携の非効率性を解消するための学内体制整備、知的財産評価指標の見直し等の方策を次のように提案する。「実施料収入は共同研究費と相関があるので出願前の共同研究企業探索が有効」、「大学と企業の共同出願率は約3分の2を占めるため、製品開発段階からの連携を増加させる」等。