「著作権の制限(著作権法30条~50条)」について

知的財産研究科修了生

 平成30年の著作権法改正により、情報処理関連の権利制限が大きく改正され、以前よりも一般化が図られている。このことにより、今まで個別規定が中心であった日本国著作権法の権利制限も諸外国のフェアユースに近づいたという見方もできる。本論文では著作権法の権利制限についての改正の変遷や改正に至る背景、判例を振り返り、改正後の著作権法は今まで存在した課題をすべて解決できるものであるかどうか、今後考えうる課題とその対処法、また本当にフェアユース制度は日本に必要なのかどうかを考察する。そして、著作権法の権利制限について、利用者と権利者の利害のバランス等の観点からの方のあり方を推考し、提言する。