南アジア共同体特許条約の構想
―インドにおける医薬品保護、生物遺伝資源保護の動向を踏まえて―

永井 道彰

インドは知的財産権を巡り活発な動きを見せており、南アジア地域内での影響力も増しつつある。南アジア地域には英国コモンローをベースとした法的共通基盤や南アジア地域協力連合(SAARC)などの経済的共通基盤も存在し、地域共同体特許条約が締結される素地がある。提唱する南アジア共同体特許条約はプロキュアメントからエンフォースメントまでを射程とし、ヨーロッパ特許条約(EPC)をも越える条約となる可能性がある。