ビデオゲーム機振動コントローラ訴訟にみる知的財産経営分析

下出 一

2002年にソニーのビデオゲーム機の振動コントローラが米国イマージョン社から特許権侵害で提訴された事件についてビジネス面、特許・知財面より総合的に系統立てて分析を行った。そもそもビデオゲーム機におけるコントローラとは何かを明らかにし、本事件の特許で活用された米国独自の手続制度についても整理した。次に各種報道資料に加え米国証券取引委員会や米国特許商標庁、日本国特許庁等から本事件に関する様々な公的書類や契約書類等を入手することで一般には報道されていない部分を含む本事件の全貌を初めて明らかにした。同時に、本事件における知財戦略の巧みさを明らかにし、それを参考に企業の知財活動についての提言を行った。