OIT工学部 教育のねらい

大阪工業大学工学部における
教育推進活動の情報公開について


大阪工業大学 工学部長 森實 俊充

 大阪工業大学は、1922年の開学以来、社会の要請に応える専門職業人の育成を教育方針の根幹にすえ、教育研究活動に邁進してまいりました。
 昨今のグローバル化や少子高齢化が進む社会の急激な変化とともに、高等教育機関としての大学は、よりよい未来社会の実現に向けて柔軟な知恵と実践力を備えた卒業生の輩出を責務とし、それぞれの大学や学部の個性・特色に応じた教育力および研究力の改善を継続的に行うことが求められています。
 本学工学部におきましても、20世紀以降の日本の“ものづくり”を支えてきた確固たる歴史と伝統を踏まえつつ、新たな時代や世界で自主自律的に活躍する若人の育成をめざした教育システムの拡充に向け、不断の取り組みを重ねております。
 こうした自己改善・教育推進のプロセスは、その地道さゆえ、あまり一般の皆さまの目に触れる機会が多いものではありません。しかしながら、そうした取り組みを広く社会に公表することは、ひるがえって本学教育活動のいっそうの活性化をうみ、ひいては学生や保護者の皆さまの期待に応えるより質の高い教育体制の構築につながると考え、このたび、このような“工学部教育推進活動紹介サイト”を立ち上げました。
 このサイトを通じて、工学部の教育推進に関わるさまざまな情報を共有していただきながら、本学工学部の今後の進展を見守っていただければ幸いです。

大阪工業大学工学部の教育活動について


大阪工業大学 教務部長 井上 晋

それぞれの大学には「教育の理念」があります。
大阪工業大学では、
 社会・時代の要請に応え、専門学術の基礎と実践的応用力を身に付けるとともに、広い視野と豊かな人間性を涵養し、新しい知的・技術的創造を目指す開拓者精神にあふれた、心身ともにたくましい専門職業人を育成する。
という理念を掲げ実践してきました。この姿勢を今後も変えることはありません。
 このような文脈の下、本学工学部は激変する社会情勢を背景とし進化する産業界の動向に対応しながら、多様な基礎および専門にかかわる科目をカリキュラムに次々加えることを繰り返してきました。一方で、社会は大学に対し、教育課程を体系化した上で質を伴った学修時間を確保するとともに、これまでの座学中心の授業形態から双方向性を重視した学生諸君の主体的な学びへと転換すべきであると要請しています。これを受け、学生諸君に多彩な科目群を提供し続けることで事足りるのであろうか? との省察から、速やかに次の行動を起こすべき秋(とき)を自覚するに至り、大学教育に対する抜本的改革を求める声に真摯に耳を傾け、2014年度から工学部カリキュラムを白紙改定しました。
 まず、工学部での学修目的が、(1)社会に貢献できる有用な技術(スキル)を身に付ける;(2) 専門分野の基礎をしっかりと学び、その上で問題解決法を身に付ける;(3)社会人としての責任感、グローバルに活躍できる技術者としての素養とチームワークを身に付ける、であることを改めて認識した上で、これまでの提供科目の内容をすべて見直し、必要に応じて整理統廃合しました。また、時代の要請に応える科目を新たに配置した上で、スリム化した科目群を
「キャリア形成の基礎」「工学の基礎」「専門科目」「数理科学と教育」「連携科目」のカテゴリーに振り分け、工学部全10学科のカリキュラム体系を学生諸君に明示することで、卒業するために必要な「到達目標」を周知しました。
 新カリキュラムで特筆すべきは、学生のグループワークと主体的な学びを求める「アクティブ・ラーニング」の要素を組込んだ科目を積極的に導入したことです。中でも、PBL(ProblemあるいはProject-Based Learning:問題あるいは課題解決型学習)科目を、全学科とも1年次生に入門編を、3年次生に発展編を、それぞれ配当しました。さらに、専門分野や国際交流で活用できる実践的英語力の涵養も図っています。これらは、大学教育改革の要請に対する私たちの一つの回答であり、近い将来「PBLスタンダード工大モデル」として外部から評価していただけるように、常に検証と改善を行いながら教育課程運営に注力し続けます。
 工学部が推進している新しい教育活動は、これまでも重視してきた全学科4年次生での卒業研究と合わせて、産業界が本学に求めるグローバルに活躍できる実践的技術者の育成に対しおおいに寄与するものと自負しています。このサイトでは、これらの取り組みを分かりやすくまとめていますので、広く一般の皆さまにご覧いただき、本学工学部の新しい教育活動の成果にご期待いただければ幸いです。