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【学生相談室コラム】学生相談室だより(おおよど292号2024年10月掲載)

2024年10月12日

  • 独りもいい、一緒もいい。今日はどんな気分? 独りもいい、一緒もいい。今日はどんな気分?

「猫は三年の恩を三日で忘れる?」
 あなたは猫派ですか、犬派(またはそれ以外)ですか?
 猫と犬の性格の違いは、生活スタイルの違いによるところが大きいのだそうです。猫は主に単独行動をしてきました。失敗などで落ち込んでいると自分の身を守ることができません。そこで毛づくろいやあくび(転移行動)をして、さっと気持ちを切り替えます。「反省せんのかい!」と突っ込みたくなりますが、これもサバイバル術です。
 一方で犬は集団行動が基本です。何かがあれば仲間同士で危険を知らせあってきました。叱られたりしてしばらくしょんぼりしているのは、ある意味余裕があるからでしょう。
 人間は単独でも集団でも行動します。そして、過去や未来のことを考えられる発達した脳を持つため、なんでもない時でも危険や不安を感じてしまう特性があります。見えない空間、嫌な思い出、悪い予想など・・・。
 そんなとき、ちょっと猫の真似をしてみてください。髪を整える、いい香りをかぐ、推しの笑顔を思い出すなどして、不快な気持ちから離れてみましょう。
 安心できる場所や仲間があるなら、愚痴ったり泣いたりするのも大切です。犬はそうしてひとしきり落ち込み考えて、次からどうすればよいかを学んでいます。
 どうしてよいか分からないときは、相談室にも来てみてください。猫タイプさんも、犬タイプさんも、それぞれに悩みの形と向き合い方があります。一緒に考えましょう。

学生相談室カウンセラー 山下 彩

参考図書:今泉忠明『犬と猫どっちが最強か決めようじゃないか』主婦の友社,2019 
石黒由紀子『猫は、うれしかったことしか覚えていない』幻冬舎文庫,2021