国際交流INTERNATIONAL EXCHANGE
地域創成型の国際PBL “Engineers in Action”を川上村で初めて実施
2024年9月25日
- 源流分校ワークショップで地元参加者と
- オリジナルのパッケージを作る児童
- オープンキャンパスを楽しむ台湾チーム学生
本学国際交流センターと国立台湾科技大学のEiA(Engineers in Action)チームは8月19日から26日、国際PBL(Project-Based Learning)合同研修を大宮キャンパスと奈良県川上村で実施しました。
PBLプロジェクトでは初めて地域創成問題を取り上げ、本学と連携協定を結ぶ川上村の地域資源を生かして「環境に優しい石けんづくり」をテーマにワークショップを8月24日源流分校(旧川上東小学校)で、翌25日に本学大宮オープンキャンパスで実施することを計画。最初にリーダー学生(TA)3人を人選し、4月から川上村を複数回訪れて、石けんに混ぜる素材として現地で調達できる桜の花びらや、スギ・ヒノキのおがくず、廃材を収集。5月からは学科や学年の異なる一般学生を募り、石けん試作、3D成形、パッケージデザイン、広報の各チームに分かれ、8月合同研修までオンラインで意見交換を繰り返し、準備段階で生じる課題や意見・解釈の違いを乗り越えて次第に信頼関係を築いていきました。
石けんづくりのほかにも、川上村のきれいな水の仕組みや村の良さを改めて知るために、廃ペットボトルを利用してさまざまな大きさの砂利石を使ったのろ過装置をつくり体感してもらうことを台湾チームが提案。地元小中学生の参加を募るために作成したポスター、アンケートには、両チームで考えたコンセプトやSDGs、環境学習の要素を盛り込み、村役場の協力を得て、地元住民に広報しました。
EiAプロジェクトが他のPBLと違うのは、ゴールを示した後、ほとんど学生たちだけでワークショップの内容企画から運営細部まで決めて最後までやり遂げたことにあるでしょう。
両校学生は本番直前3日間を源流分校で合宿し、自然の恵みを体感しながら毎晩遅くまで語らい意見交換し、チーム力を高めていきました。24日のワークショップでは地元小学生や保護者、移住ツアー見学者など約30人が参加、翌25日は約20人の高校生・保護者がブースを訪れ、「石けんづくりが楽しかった」「SDGsについて理解が深まった」などの感想を寄せてくれました。
参加学生らは振返りで、「石けんや水ろ過機はどこでも調達できる材料で作ることができ、物が豊富にない地域でも工夫や簡単な知識だけで水汚染問題などの解決の一歩になれることを知った」「国際交流の深みと他者を理解しようとする姿勢の重要性について学んだ」「さまざまな分野の知識を持つ人が集まることで、できることの幅が広がり、ひとつのテーマに対していろんな方面からの視点が得られること、一人ひとりの責任感で成し得たことが収穫だった」などと話しています。
EiAは行動するエンジニアの略称で、大学の社会的責任(USR)の見地から地域の課題解決に資する活動を国際チームで行う台湾政府の国家的プロジェクトとなっています。台湾科技大学はこれまで台湾・宜蘭(イーラン)県のほか、ベトナム・カントー、インドネシア・スラバヤの農村地帯で活動をしています。本学も2024年からパートナーとして参画しており、本プロジェクトを主催するとともに、大学院生3人を7月の2週間、両国に派遣しました。
<合同研修参加学生内訳>
本学: 7人(大学院応用化学専攻修士2年、同機械工学専攻修士2年、同環境工学専攻修士2年、機械工学科3年3、電気電子システム工学科1年)
台湾科技: 5人(大学院電子コンピュータ工学専攻修士1年、材料科学工学科4年、化学工学科4年、同3年、応用外国語学科3年)
<担当教員>
・本学: 村岡 雅弘・国際交流センター長(応用化学科教授)
・台湾科技: TSAI, SHEN-LONG(化学工学科教授)
WANG, CHIU-YEN(材料科学科准教授)
関連するリンクはこちら
https://www.2020usrexpo.org/en/USR.php