総合的な学修で「建築」の奥深さを実感
将来は歴史的な建造物の建設に携わりたい
建設業界で働く父親や建築好きの友人の影響で、建築分野に関心を抱きました。大阪工業大学を選んだのは、関西の大学のなかでも、専門性の高さやキャンパスライフの充実度、進路実績に惹かれたからです。
入学後、最も驚いたことは学修領域の幅広さ。デザインだけではなく、建物の機能性や環境など、建築の三大要素「強・用・美」を着実に学ぶことができました。1年次後期から3年次前期まで受講していた設計の授業では、建築に関わるすべての要素を捉えながら図面を作成する、という課題に取り組みました。必要な知識量が多く苦労しましたが、各授業での学びを組み合わせて試行錯誤するなかで、総合力が身についたと感じています。また、図面作成にはスピードも求められるため、逆算的に思考して計画的に行動する姿勢も養われました。
多岐にわたる領域に触れるうち、表面的には気付きにくい建築設備の機能性や重要性に魅力を感じ、3年生後期に建築環境系の研究室を選択しました。私はCFD解析(数値流体工学)を用いて、「屋外環境における気温変化」の再現方法を研究。昼間は暖かく夜間は冷えやすい屋外環境を再現するためには、時間変化を考慮する「非定常」で計算を行うことが一般的です。しかし、従来の方法ではコンピュータ上のシミュレーションで、現実では起こりえない不自然な気流が発生してしまうことがあります。私の研究は、不自然な気流が発生しない条件を探り、より自然界に近しい状態を再現することが目標です。研究を開始して間もない頃は、専門用語に慣れず、内容を理解するのに苦戦していました。そんな時に支えになったのが、研究室の仲間たちの存在。入学当初はコロナ禍でなかなか学科の仲間と交流できなかったこともあり、お互いに助け合える環境のありがたさを強く感じました。
歴史に残るような大規模な建設に携わりたいという思いから、卒業後は大手建設会社へ。大学で学んだ多彩なスキル・知識、数々の課題を乗り越えてきた経験を活かして、粘り強く仕事に取り組んでいきたいと考えています。