工学分野の研究者、そして教育者として
「ものづくり教育」のさらなる発展を導く

profile

中学生の時に出場したロボットコンテストでロボット製作に興味を持ち、工業高校に入学。就職か進学で悩んだ時期もありましたが、「大学に進学してロボットコンテストに再挑戦する」という決意を胸に、ロボット工学科へ進学しました。

4年間でもっとも印象深かったのは、ロボットプロジェクトでの経験です。2年次ではオペレーター(ロボットの操縦者)として先輩の補助を行う立場でしたが、3年次からはプロジェクトリーダーとロボットの設計・加工を兼任。ロボットコンテストに向けて、プロジェクト全体の方針を決めたり、活動計画の立案や予算管理を行ったりと、ロボット製作と事務作業を兼任することはとても大変でした。しかし、メンバーの意見をまとめながら試行錯誤するなかで、コミュニケーション力や統率力が身についたと感じています。また、何でも自分でするのではなく、周りの人たちに頼る姿勢も養われました。一人でできることでも、あえてメンバーや先輩など色んな人と話し合って取り組むことで頭に入りやすくなるなど、人との関わり方は大きく変化した部分だと思います。

卒業研究では、「LEGO SPIKEプライムを用いた基礎ロボット工学演習における指導者用教材の開発」を行ってきました。「基礎ロボット工学演習」はロボット工学科で開講されている授業であり、講義内でLEGO SPIKEプライムを用いたロボットコンテストが行われます。私の研究では、この授業の教員をサポートする指導者用のデジタル教材を開発し、学生の学びのさらなる充実化を図ることが目標です。本研究により、理想的な学修環境(学修時間や基礎力、教員の指導力などがバランスよく保たれた状態)を実現できると考えています。実際に使用した先生方からは好評価をいただき、研究の意義を実感できました。

今後は、教育工学を専門とする研究室で、「ものづくり教育」について研究を続けていきます。まずは、研究者として工学分野の教育手法を提唱し、いずれは教育者としてこれまでの経験や知識を生徒に還元し、導ける人間になりたいです。