学業と漕艇部、研究に全力で取り組んだ6年間
その経験を糧に、製品開発に臨んでいきたい

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歩行時、人の足に対して地面や床からかかる「床反力」を計測することで、体の重心を上下・前後・左右に移動させる力などが分かり、目視では気付けない異常を見つけることが可能となります。しかし、複数の高価な装置を床に埋め込まなければならず、臨床での使用は困難です。そこで、学部4年次の時から「アシスティブデバイス研究室」で取り組んできたのが、「ウェアラブルな歩行分析システムの開発」です。市販の靴に敷いて歩くだけで、床反力を計測できるインソールデバイスを開発しました。このデバイスによって、床反力の計測に加え、自然体に近い歩行の分析が可能になります。研究のきっかけとなったのは、病気のため歩行困難な祖父と、祖父の介護をする人たちの大変さを目の当たりにして抱いた、「医療や福祉に貢献したい」との思いでした。デバイスの計測装置やシステム構築を、一から行う必要があり苦労しましたが、やり遂げるために大学院へ進学。結果、国内学会で賞をいただいたほか、専門家によるチェックを経て初めて採択される国際学会においても発表。また、修士論文公聴会では学科内でトップの成績を収めることができました。

学部時代を振り返って改めて思うのは、グループワークやディスカッションを取り入れた授業の多さ。自然と、物怖じすることなく自分の意見を伝えられるようになりました。班のリーダーを務めた時には、メンバーが主体的、意欲的に取り組める雰囲気づくりに配慮することで、リーダーシップも向上したと思います。

そして何より大変だったことが、大学入学時に決めた目標「文武両道」の実践です。漕艇部に所属していたため、生活の拠点は合宿所。学業では高成績を維持しながら、早朝4時半からの朝練、夕方からの練習をこなし、念願だった西日本選手権での優勝を果たすことができました。就職活動がスムーズに進んだのも、頑張った日々があったからこそだと考えています。継続することで培った、目標に対して主体性を持ってやり抜く力とリーダーシップを強みとし、次代のニーズに応える電子部品の研究・開発に取り組んでいきたいです。