OIT OB・OG VOICE

川上 泰広さん
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川上 泰広さん
2012年 工学部 機械工学科 卒業
2014年 工学研究科 機械工学専攻(現 電気電子・機械工学専攻) 博士前期課程 修了

パナソニック株式会社 ランドリー・クリーナー事業部 ランドリー事業 ドラム洗技術部 設計第一課 第一係

研究室での最先端の研究が
現在の仕事に直結
自ら設計したものをユーザに届けたい

世界一の振動制御と制音技術をめざして

私は自動車が好きだったことから機械系の学びに興味を持ちました。大阪工業大学の機械工学科に入学した理由は、実習が充実していて、ものづくりを実践的に学べる環境に魅力を感じたからです。高学年になると振動と音について研究する振動・音響研究室に入り、そこでのパナソニックとの共同研究がきっかけで現在の仕事に就くことになりました。
 入社してすぐは共同研究の延長線上にある洗濯機の振動性能に関する業務に携わりました。その後、操作表示部、機内配線の設計などを経て、現在は騒音性能に関する業務に従事しています。あらゆる家電にとって振動や音をいかに制御するかは長年の課題なので、私の設計した製品で世界一の性能を実現することが目標です。

ものづくりのイロハを学んだ学部時代

思い出深いのは、「エンジニアリングプラクティス」というPBL(課題解決型学習)科目で、電気自動車を製作したことです。4~5人に分かれてチームを構成し、目標に向けた製作プロセスを自分たちで考えました。構想・設計・作図・加工・組み立て、と完成に向けて約1年間かけて行う講義で、途中、計画の変更を余儀なくされることもありましたが、失敗を繰り返しながらも最終的には満足できる製品を作り上げることができました。この経験は現在の仕事にも通じるところがあり、ものづくりの楽しさや難しさを知る貴重な機会になりました。
 振動・音響研究室では、大学院生の先輩と一緒に、模型の骨を叩いて骨粗しょう症の診断をするという研究に取り組みました。振動と音に関してより高度な研究に取り組みたいと考え大学院への進学を決意しました。

大学院では企業と協働して実践的な研究課題に挑戦

大学院では「ドラム式洗濯乾燥機の振動低減」というテーマでパナソニックとの共同研究に取り組みました。私の学年から始まった共同研究だったので、何をどう測定して、どんな結果を導き出すのかは自分でゼロから考えなければなりませんでした。また、企業との共同研究には期限が定められているので、期間内に最大限の成果を出すため指導教員と議論を重ねつつ試行錯誤を繰り返しました。最終的に独自の視点から振動を下げるための新しい方法を提案することができ、さらに研究成果をオーストラリアでの国際会議「Inter-noise2013」で発表する機会にも恵まれ、大きな舞台に立つ経験を得ることが出来ました。

エンジニアの活躍の場は無限に広がっている

近年ではIoT(モノのインターネット)の普及でソフトウエアが全盛期の時代になっていますが、実際に動くのはハードウエアであり、その研究に対する社会のニーズもますます高まっています。これから機械工学科で学ぶ皆さんの活躍の場は無限に広がっています。大阪工業大学なら、大学から機械工学を学び始めた人でも段階的に成長できるカリキュラムが用意されていますし、何よりものづくりを楽しみながら学べる環境が充実しています。ものづくりが好きな人はもちろん、何か新しいことに挑戦したい人、これからの時代に社会に役立つ技術を身に付けたい人には、わくわくするような学びが待っているので、どうか熱意を持って学び続けてほしいと思います。

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    私が設計に関わったドラム型洗濯機。ひょっとすると皆さんのご家庭にあるかもしれませんね。
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    3年次の授業「エンジニアリングプラクティス」で製作した電気自動車
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    国際学会が開催されたインスブルック
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    国際学会後に訪れたドイツオクトーバーフェストの会場(1リットルのビールを一気飲みするドイツ人は凄かった!)

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