【学生相談室コラム】学生相談室だより(おおよど277号2021年10月掲載)

2021年10月25日

少し欠けた月「十三夜の少し欠けた月もきれいですね」

少し欠けた月「十三夜の少し欠けた月もきれいですね」

「秋の空、猫も満喫中。どこまで登っていくのでしょう」

「秋の空、猫も満喫中。どこまで登っていくのでしょう」

「月夜の愉しみ」 
 
みなさんは十五夜のお月見はされましたか?
十月にも十三夜といって、十五夜の次に美しいとされる「後の月」を愛でる伝統があり、2021年は10月18日(月)だそうです。少し調べてみると『十三夜』という樋口一葉の小説があって、ネットで簡単に読めるのですが、しみじみ悲しい感じがしました。
感染予防が強く求められる昨今では、家にいることは推奨されても、外に出ることは様々な工夫や覚悟が必要となってしまいました。確かに『十三夜』に見られるように、内にこもり自分さえ我慢すればいいという自己犠牲の上に自分が属する集団の安心安全が守られるという側面があるのかもしれません。けれども、自分のこころやからだを大切にしないで失っていくものはあまりにも大きいように思います。
人それぞれ大丈夫と感じられる基準が異なるのは当然ですが、お互いに心地よい距離を取りながら、自然の美しさに触れたり、物語の世界を自由に旅したりできることを願ってやみません。

学生相談室カウンセラー 田原 優佳

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「秋を味わう」  
芸術の秋、スポーツの秋、読書の秋、食欲の秋…秋を表題する言葉はたくさんあります。秋は涼しくて夜も長くなることから、過ごしやすく集中しやすい季節ということで、いろいろな○○の秋と言われるようになったそうです。皆さんにとってはどのような秋でしょうか。
ゆっくり読書をしたり、体を動かしてみたり、映画を見たり、あるいはおいしいものを食べてみたり…無心で好きなことに没頭できる時間は、私たちが生きていく上での張り合いをもたらしてくれます。様々なことが自粛、自粛と制限される中でも、少しでもこうした時間を大事に持つことは、張り詰めた緊張を解き、新しく活動していくためのエネルギーを蓄えていくことにつながるでしょう。
心に余裕がないときには、そうした楽しみを見いだせないという人もいるかもしれません。そういうときはちょっと一休みして、窓を開けてみるのはどうでしょうか。心地よい外の風とともに、もしかすると虫の声が聞こえたり、きれいな月が見られたりするかもしれません。一息ついて、しみじみと時間を過ごしてみるのもまた一つ。せわしない世の中ではありますが、ぜひ自分なりの秋の味わい方を探してみてください。

学生相談室カウンセラー 平子 侑里絵

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