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ニュースリリースnews release

【応用化学科・村田理尚准教授】熱電発電に必要な高性能n型熱電フィルムを開発_有機系材料を用い大気下でも安定、水分散液の塗布

2020.07.09

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 大阪工業大学(学長:益山新樹)応用化学科の村田理尚准教授、大阪産業技術研究所森之宮センターの川野真太郎主任研究員らのグループは、未利用の排熱から発電する熱電発電技術に関して、大気安定な塗布膜としてはこれまでで最も高い性能をもつ有機系n型熱電フィルムの開発に成功しました。n型半導体の材料の水分散液にエチレングリコールを添加剤として加える独自の環境調和型の手法を開発しました。多様な形状に貼り付けて利用する柔らかい熱電変換素子としてIoT社会への貢献が期待されます。
 
本件のポイント


● 排熱を有効利用する熱電発電に使われるn型熱電フィルムの研究
● エチレングリコールを添加剤にする手法でこれまでより1.5倍の高性能を実現
● 水分散液を用いた環境調和型プロセスにより製膜でき、大気下でも安定したn型特性
 
内容

 熱電発電は「最大の産業廃棄物」とも言われる未利用の排熱を電気に変換して利用するもので、持続可能な社会に貢献する技術として近年世界的に注目が集まっています。化石燃料のエネルギーのうち約3分の2は排熱として捨てられ、その7割は200℃以下の低温排熱が占めています。これらの熱源にはさまざまな形状があるため、貼り付けて使用できる柔らかい熱電変換素子が求められています。
 熱電変換素子は、温度差を電圧に直接変換する現象を利用するもので、日本でも人体や工場、自動車から出る未利用の熱エネルギーを有効に活用する研究が官民挙げて進められ、IoT社会の無線センサー用電源などへの利用が期待されています。熱電変換素子の材料となるp型とn型半導体材料のうちn型材料は、性能が低く、大気下での耐久性にも難点があり、研究は遅れてきました。
 ニッケルと硫黄を含む有機化合物は有望なn型材料の一つとして期待されてきましたが、全く溶解しないため、加工性と熱電性能に課題がありました。村田准教授らは水分散液とエチレングリコールを添加剤に用いる新しい塗布プロセスを独自に開発しました。この手法を用いてプラスチックやガラス基板上にn型熱電フィルムを製膜することが容易となり、大気下で安定かつ高性能なn型熱電フィルムを実現することができました。今回の手法で作製した有機系n型熱電フィルムは、これまでのものより1.5倍高い性能を示すことが確認されました。
 本研究は、JSTさきがけ事業にて推進され、研究論文が英国王立化学会の学術誌「Journal of Materials Chemistry A」のオンライン版に掲載されました。(DOI : 10.1039/d0ta04524a)
 
内容に関するお問い合わせ

大阪工業大学 工学部応用化学科 准教授 村田理尚
TEL:06-6954-4275(不在の場合は広報室へ)
 
本件発信部署・取材のお申し込み先

学校法人常翔学園 広報室(担当:大野、田中)
TEL:06-6954-4026 携帯:090-3038-9887
 
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