甲巻に
ついて

鳥獣戯画の中で最も人気で有名なのが、甲巻である。
この甲巻では第1紙から23紙に渡り、擬人化された猿・兎・蛙などが的弓や相撲をしている様子が描かれているが、詞書ことばがきがない為、書かれた目的は分かっていない。

 

内容が似ている?「年中行事絵巻」との関係

甲巻は「年中行事絵巻」とよく似た構図の絵が頻出している。
そのため、「年中行事絵巻」のパロディという説や、宮廷絵師が描いたのではないかという説もある。
また、描かれている内容も賭弓のりゆみ印地打いんじうち、田楽など、年中行事と一致しているものが多い。
※年中行事…毎年慣例として行われる儀式や催し物。ここでの年中行事とは、「年中行事絵巻」の描かれた平安末期の頃のものを指す。

甲巻は2巻本だった?

現存の甲巻は本来の甲巻とは巻数や絵の順番が違っていたことが判明している。
絵の順番については、高山寺が焼き討ちに遭い、鳥獣戯画と思われる絵巻が被災し、復元を行った際に絵の順番が本来と違うものになったのではないかと推測されている。
また、その復元の際に断簡だんかん(抜け落ちた絵)があることも分かっており、長い年月を経て高山寺以外のところに所蔵されていることも分かった。
他にも模本(模写された本)も複数見つかっており、そこには現存していない競馬や船遊び、双六といった場面が存在していることが分かっている。
その模本と断簡を現存の甲巻と見比べてみると、甲巻はもっと長く、少なくとも2巻はあったことが判明した。
近年の研究では、和紙を撫でた際についた筋の跡から本来とは違う場面に繋がっている箇所も発見されており、本来の甲巻の姿が取り戻されつつある。

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