電子顕微鏡によるさらなる高解像度観察を目指して

電子情報通信工学科 
教授 小寺 正敏

小寺 正敏
2014.01.21
  • 電子顕微鏡を背景にした大学院生・卒研生達

    電子顕微鏡を背景にした大学院生・卒研生達

  • 電子顕微鏡の内部構造と設置した静電気力顕微鏡

    電子顕微鏡の内部構造と設置した静電気力顕微鏡

  • 物質内外で起こる電子散乱のシミュレーション例

    物質内外で起こる電子散乱のシミュレーション例

 人々の快適で豊かな暮らしを支える科学技術は、ものづくり技術だけで成り立っているわけではありません。作られたものがうまく動かなければその原因を追究するために、ものを詳細に観察・評価・分析する必要があります。その中で、観察することは「百聞は一見にしかず」といわれるようにとても重要です。最近よく耳にする「ナノテクノロジー」という言葉で代表される微細な人工機械の製作では、その不具合の原因を電子顕微鏡による高解像度観察によって判断します。私たちの研究室(LSIナノテクノロジー研究室)では、最先端LSIの製造・評価・分析に用いられる電子顕微鏡技術について以下のテーマで研究し実績を上げています。

テーマ1.「ナノプローブを用いた、電子顕微鏡内の表面電位分布測定」
 電子顕微鏡はものの表面を100万倍にも拡大して観察することのできる精緻な装置で、ナノテクノロジーの発展には欠かせませんが、その画像が明瞭でないと大きな貢献ができません。当研究室ではその画質向上を目的として大学院生たちと共に、ものの表面に触れずに電位を測定することのできる静電気力顕微鏡を世界で初めて電子顕微鏡の中に組み込み、マイクロメートルサイズの測定ができるようになりました。
 この研究に関して国の補助金(科研費等)を複数獲得しています。また当研究室の大学院生がこの研究成果を電子顕微鏡関係の国際会議で発表し、最近2件表彰されています。

テーマ2.「電子ビーム応用技術のシミュレーション開発」
 上記のテーマ1が実験技術開発の研究であったのに対し、テーマ2では観察対象の内部で起こる現象を理論的に解析(コンピューターシミュレーション)します。このシミュレーション法は当研究室の大学院生たちが長年かけて開発してきたもので、今やそれほど複雑な機構を考慮したプログラムが商用でも存在しない世界のトップレベルに達して、これに関する研究発表は国際会議で毎回採択されます。
 このシミュレーション技術に対して当研究室では今まで多くの企業から、委託研究や共同研究の申し出や技術相談を受け付けてきました。

 当研究室で研究に携わった大学院生達の活躍は目覚ましく、確かな実力を付け自信を持って就職活動を行っています。また、修士2年間の業績により卒業後には獲得した奨学金の返還免除措置を受けています。

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