空間デザイン学科
環境デザイン研究室

2013年度千林商店街店舗デザイン展にて
わが国の伝統的な空間形成やものづくりにおいては、これまであまりシステマティックに捉えられることが少なく、それらのデザイン手法が論理的に明らかにされてきませんでした。 今日、グローバル社会が急進していく一方で、改めて日本独自の造形理念やデザイン手法が見直され、エコをベースとした環境共生時代にそれらの価値がいっそう高まりつつあります。そういった観点から、伝統的住まいをはじめ、昔ながらの商店街、庭園・アプローチ空間などの外部空間、さらには日本の景色・風景なども含めて、それらの底辺に通奏する日本の美意識ならびにデザイン手法を研究しています。

2013年度千林商店街店舗デザイン展にて
主な研究テーマ
- 中心市街地商業空間の活性化
- 日本の伝統的造形手法に着目したシークエンス景観
- 日本のものづくりにみる造形概念とデザイン手法
- 空間認知とレジビリティ
指導教員
宮岸 幸正
教授
(ミヤギシ ユキマサ)
専門分野
- 景観論
- 店舗デザイン
- 日本デザイン論
- デザイン方法論
教員メッセージ
デザインを考える上で、現実のフィールドワークを通して現状把握から問題点抽出を行い、解決策のためのアイデアを創出するというプロセスを重視して、取り組んでいます。これまで、地元商店街や奈良県吉野郡川上村でのプロジェクト、京都町家プロジェクトなど、いずれもPBL(プロジェクト・ベースド・ラーニング)の手法を用いた演習により、多くのゼミ生たちが励んできました。若者ならではの、直感的で既成概念にとらわれない多くのアイデアと行動力が、これからもますます求められています。
在学生メッセージ
デザイン分野は、グラフィック、プロダクト、インテリア、建築などに別れていますが、それらはお互いが密接に関係しているものです。デザインを学ぶ上で、狭い分野にとらわれず、幅広く多くの作品に直に触れて、体験することがなにより必要です。また、感性を鍛えることと、論理的に物事を考える力は、共に必要な能力であり、自分の思考能力を高めるには、現場で考えることと、出来るだけ多くの文献を読むことが必要です。
この研究がかなえる未来
これからの時代は、デザインがますます重要になってきます。テクノロジーの進展が、価値あるものとなるためには、人間にとって本当に役立つことを目標としたそれらを包み込むデザインの能力が不可欠です。人間中心の工学、環境共生時代に生きる技術、超高齢社会に求められるテクノロジーは、すべて広い意味でのデザイン思考が必要です。デザインは、単なる思いつきや感覚だけの世界ではありません。デザインの基礎をしっかり学び、来るべき時代のデザイン・イノベーションの担い手として活躍してください。