研究テーマ
歩行者属性の構成がストレス分布に与える影響の定量的分析—HPA軸モデルを組み込んだ群衆シミュレーションによる検討—
梅田のような混雑した駅のコンコースを歩いていると、前を歩く人が遅くてイライラした経験はないだろうか。こうした「詰まりによるストレス」は多くの人が日常的に感じているにもかかわらず、これまでの群衆研究では「何人いるか」「どれだけ速く流れるか」といった物理的な指標が中心で、ストレスそのものを数値で測ろうとした研究はほとんどない。
本研究では、大阪梅田駅コンコースを舞台に、歩行者一人ひとりの体内で起きるストレス反応を数式で再現した群衆シミュレーションを構築した。急いでいる通勤者、地図を片手に立ち止まる観光客、友人と横に並んで歩くグループなど、現実に即した多様な歩行者が仮想空間を歩き回り、詰まるたびに体内のコルチゾール値が上昇する。その分布をヒートマップで可視化することで、「どこで、誰が、どれだけストレスを感じているか」を定量的に明らかにする。
平日昼と土日昼で歩行者の属性構成を変えて比較することで、「誰が歩いているか」という属性の違いがストレス分布にどう影響するかを検証し、より快適な歩行環境の設計に向けた知見を提供することを目指す。
研究担当: 大西 玲詩
