研究内容

ペダリング運動における筋活動可視化システムの開発

自転車のロードレースに代表されるサイクルスポーツにおいて, より高いパフォーマンスを実現するためには,ペダリング動作に おける筋活動を定量的に理解することが重要です.どの筋を使って ペダルを漕ぐかはクランク角度にも依存しますし,レースの序盤・終盤にも 依存します.しかしながら,自分の足のどの筋がどれだけ活動していることを 自身で把握することは困難です.そこで,リアルタイムにペダリング時の筋活動 を表示するシステムを開発しています.クランク角度と対応した2つの筋の活動量 を表示します.

体幹前傾角と下肢筋電位を用いた起立動作支援システムの開発

近年の高齢化社会に伴い,動作を支援する装置の研究開発が行われています. 起立動作は生活の中で幾度と無く行われる動作ですが,高齢化に伴い起立時に 膝に痛みを伴うことや,筋力の低下により起立時体が困難になることが あるため,最も支援を必要とする動作の一つです.従来の支援装置では, 完全にユーザの起立動作を支援してしまうものが多く,自分の力で立てるユーザにとっては, 逆に筋力低下を起こしてしまいます.そこで私たちは,起立動作を下肢の筋電位と体幹前傾角を予測し, あくまでユーザの起立動作の補助として,起立動作の動きに合わせて支援を行うシステムを開発しています.

心電・筋電位を用いた感情推定

現在,多くのアミューズメント施設のライド・アトラクションにおいて, 乗車時の感情を可視化する写真サービスがあり,好評を得ています. 可視化だけではなく,乗車時の感情が定量化できれば, それに応じてアトラクションの制御を変えるなど,様々なアトラクションの 改良ができると考えました.そこで,乗車時のユーザの感情に関する センシング手法として,乗客がバーを握ることで心電位と筋電位を同時に計測する センシングバーを提案しまいた.試作したアトラクションで計測及びアンケート調査を行った結果, 心拍数の上昇が確認された乗客からはドキドキしたというアンケート結果を得ることができました.