イノベーションを生み出す 共創・共感のデザイン思考 NEDO特別講座 ロボットサービス・ビジネススクール 学校法人常翔学園 大阪工業大学
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そういう方向が必要だったということが、変化を見ると分かってきます。ここで学生たちに学ばせたいことは、ユーザーニーズは市場をドライブするというのは確かですが、このときにユーザーに聞いても、iPodという何千曲も運べるものがほしいという答えが返ってくるかというと、それは表に出てこない。でも、そこを掘り起こすのが、すごく大事だということです。 別の例ですと、ここにAppleのNewtonというデバイスがあります。これは、1993年に発売されています。しかし、残念ながらこれは売れなかった。彼らは、このコンセプトを引きずって、ここにiPhoneが出てきていると考えることができます。つまりこれは、コンセプトは良かったんですが、デバイスの速度などに問題があって、ちょっと早過ぎたことが分かります。同じ流れとして、AppleTVがあります。2006年に出ましたが、この後に何度も出してきています。これを、どう考えるかです。イノベーションを求めるとき、過去と未来を見ていかなければなりません。今の学生たちは、ほとんどテレビを見ません。YouTubeです。テレビがなくなっていく時代です。AppleTVは、そういう方向の流れを見ることができます。 このように、過去から学び、未来を予測して、イノベーティブなものが生まれるきっかけとか、チャンスとか、そういったものを学ばせることが、企業が欲している人材育成の重要なポイントの一つではないか。私どもは、そう考えています。9

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