イノベーションを生み出す 共創・共感のデザイン思考 NEDO特別講座 ロボットサービス・ビジネススクール 学校法人常翔学園 大阪工業大学
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ターゲットか、また、そこにたどり着くステップなどを見つけるフェーズです。三つのフェーズに対して、それぞれツールがあります。技術と社会の動向を、過去から未来へと並べて、課題の本質を見る、世代の特性を見るなどを意識するかしないかで、大きく変わってくるので、こういったツールを活用します。 パーソナルモビリティに関する、ジェナスコーンの例をご紹介します。ここでは、車輪の発明の頃から2050年頃までを見ます。いろんなことが見えます。例えば、華々しく出てきたパーソナルモビリティが、結局、市場ができなかったこと。スマホによって、自転車の交通事故が増加したり、スマートタウンで、より省エネの移動手段が必要になるなど、こういったことが見えるようになります。いわゆるAI、IoTなどのトレンドはどうなるだろうかとか、クラウド、ビッグデータによるサービス、また、未来では、最近よく出てくるシェアリングというキーワード。そして、セキュリティーをどうするかなどです。また、超高齢化社会は、非常に重要なポイントになります。 次に、パーソナルモビリティのポイントになる、キーワードを抜き出します。このキーワードは8個程度とします。この8次元空間の中で、探し求めているイノベーションを必要とする場所はどこなのかという探索を始めます。これは一つの例ですが、8個のキーワードから、「シェアリング」と「スマートタウン」を抜き出して考えたときに、何が見えてくるかというと、スマートタウン内での移動に活用できる方法、あるいは、「構内」「シェアリング」「走路の確保」を考えたとき、商業地内での移動手段。「シェアリング」「ラストワンマイル」「安全安心」、これは、最寄り駅から自宅までの移動時の安全。こういった、キーワードの多次元空間の中で、いろいろ回しながら見ていくと、狙いどころが見えてきます。 この後、アイデア生成、プロトタイピングを行い、ユーザーによる評価結果に基づいて、次の課題を探索していきます。最終的に、ユーザーの高い評価を得られたら、事業化になります。 課題解決PBLを、3時間でさせている事例です。街に看板やサイネージがありますが、より効果的なサイネージを考えるという課題に対して、学生たちは街に飛び出し、帰ってきて議論をし、プロトタイピングを行っている様子です。13

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