イノベーションを生み出す 共創・共感のデザイン思考 NEDO特別講座 ロボットサービス・ビジネススクール 学校法人常翔学園 大阪工業大学
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32日 時2017年5月12日(金)・13日(土)場 所ビッグパレットふくしまドローンをメインテーマにビッグパレットふくしま(福島県郡山市)でNEDO講座(福島会場)を開催し、社会人36人が参加。5月12日午前は4F プレゼンテーションルームにおいて、デザイン思考、テクノロジー、MOT(技術経営)分野それぞれの有識者の講演内容を紹介する。 ユーザードリブンイノベーションと、デザイン思考とは何か。どちらも、モノとコトを生み出すためのプロセスであり、デザイン方法論だと私は捉えています。デザインは、アイデアを出し続ける仕事です。天才ではない人間が、イノベーティブなものをコンスタントに作るためには、方法論が必要です。デザイン思考は、世界統一基準ではありません。ヨーロッパにはヨーロッパのデザインスクールの方法論があり、その中でも、北欧、ドイツ、イギリスなどで違うわけです。ユーザードリブンイノベーションは、主に北欧でいわれています。 例えば、デンマークの企業がデジタル機器のデザインをすると、美術品のオブジェのようになる場合があり、一方、日本は機能重視といわれます。例えば日本のリモコンは数十個のボタンが並び、若者でも全てのボタンを使いこなせません。デンマークでは、開発の初期段階から、シンプルなほうがいい、オプション機能は隠すといった、ユーザーの意見を反映しています。このように、ユーザードリブンイノベーションは、ユーザーに開発プロセスから参加してもらう方法です。しかし、一方では、その限界も指摘されています。ユーザーが未経験のもの、十分認知していないもの、製品や技術の本質に気が付いていないものについては、問題解決が難しいということ。その典型的な例がロボットです。ペッパーやドローンも、ロボットの技術や形態がユーザーに理解されているとは言い難いです。ユーザー自身が、日常生活におけるロボットの意味付けに気が付いていない中で、ユーザーを開発過程に招き入れるのは、ベストではありません。 ユーザードリブンイノベーション、デザイン思考は、どちらを選ぶということではなく、問題解決の方法論は、地域によって違うということです。スタンフォードも、北欧も、日本も、言語の構造が違えば文化も違います。私たちも勉強中ですが、日本独自の問題解決の手法を作っていかなければならないと考えています。ユーザードリブンイノベーションとデザイン思考大阪工業大学ロボティクス&デザイン工学部システムデザイン工学科 横山 広充 講師ドローン【福島会場】

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