イノベーションを生み出す 共創・共感のデザイン思考 NEDO特別講座 ロボットサービス・ビジネススクール 学校法人常翔学園 大阪工業大学
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36ドローン【福島会場】ポイント TEAD株式会社は、群馬県高崎市にあるドローンメーカーです。ドローンの自動操縦では、ウエイポイントという座標を登録することで、ドローンがGPSを自動的に拾い、その座標を必ず通過して戻ります。今現在は、衛星から拾うGPSだけですが、より精度良く飛ばすために、私どものほうから、政府に、測量で使用している全国の電子基準点の民間への開放をお願いしたり、各キャリアの電波塔を使わせていただくことをお願いしています。 産業での活用事例としては、ゴルフ場や花火の空撮、航空測量、ソーラーパネルや風力発電用風車のインフラ点検などがあります。私どもが一番力を入れているのが農業で、農薬散布や種まきにドローンが利用されています。これからの農業は、コストや人手を極力省きながら、効率良く収穫するというスマート農業の方向に向いています。従来のラジコンヘリは1機が約1,500万円していましたが、ドローンの場合は約300万円で、それを使える農家の裾野がかなり広がると考えられます。 今後のニーズですが、「日本再興戦略2016」では、東京オリンピックまでにドローン配送を実現するとしています。恐らく、ドローン特区の福島県で、ある程度実証化してみるということだと思います。また、ドローンを含めたロボットやAIなど、第4次産業デバイスで30兆円市場をつくるとされています。日本の外食産業を全部合わせると24兆円ぐらいですので、市場を国として支えていくことが如実に表れていると思います。 これからのドローンが抱える課題は、機体の制御、自動飛行、長時間飛行の3点が挙げられます。現在のドローンは全てバッテリーで飛んでおり、飛行時間は平均15分といわれます。重いものを持ち上げることができ、かつ、長時間飛べる機体が求められています。弊社は、ものを持ち上げる技術は有しており、長時間飛行が可能なハイブリッドドローンの開発に注力しています。現在は、エンジンを積んだドローンを開発していますが、時代に即した水素や、バッテリーの革新的技術があれば、取り組んでいきたいと考えています。 物流などの技術イノベーションとして無人飛行機としてのドローンの活用が世界的に検討されている。その可能性と利用状況を紹介している。ハイブリッドドローンの開発と普及TEAD ビジネス開拓本部長 古屋 誠一 氏

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