イノベーションを生み出す 共創・共感のデザイン思考 NEDO特別講座 ロボットサービス・ビジネススクール 学校法人常翔学園 大阪工業大学
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44日 時2017年6月23日(金)・24日(土)場 所大阪工業大学 梅田キャンパス医療福祉ロボットをメインテーマに大阪工業大学梅田キャンパス(大阪市北区)でNEDO講座(大阪会場)を開催し、社会人46人が参加。6月23日午前は2F セミナー室において、デザイン思考、テクノロジー、MOT(技術経営)分野それぞれの有識者にしていただいた講義内容を紹介している。 今、技術者は、ロボットと人の共存を進めようとしていますが、人間同士でもストレスがたまる社会なのに、ロボットとの共存は本当にあるのかということを、そもそも考えなければいけません。しかし、盲導犬が電車に乗っていても、邪魔だとは思われません。ファンクションとデザインをどうするのかということで、共存が可能かもしれないとも思います。 約10年前に、既に、介護ロボットは開発されていますが、それは、介護士をサポートする視点であり、また、テクノロジーオリエンテッドなものでした。現在、国が目指すのは、介護から自立支援であり、ロボット介護機器開発も同様です。安全基準にのっとった、いろんな自立支援ロボットが開発されています。それらを、自己責任で、自立に使おうという方向に来ています。社会保障費の増大や労働人口の減少の中で、介護に頼らない社会を実現するために、元気な高齢者を増やしていかざるを得ないのです。 世界でも高齢化の最先端を走っている日本の、次の大きな課題は、イノベーションを起こすことです。介護から、元気高齢社会をつくるためには、ロボットに助けてもらうというのではなく、「ロボットを使い倒す」という発想に変える必要があると思います。それは、私の言葉で言うと、BtoCであり、ノーマライゼーションです。ビジネスにおける、今までの医療福祉ロボットのキーワードは、やはりリハビリテーションです。これを、健康機器のようなイメージに変えていく必要があるしょう。入り口は、国の施策で安全規格を決めたので、出口は、健康寿命の伸長を図る方向に進めましょうというのが私の意見です。 大阪工業大学では、梅田キャンパスの1階を市民に開放しています。この場を使い、どうすればロボットでもっと豊かな超高齢社会になるのかというのを、産学連携で考えていこうとしています。それは、介護も含めて、ロボットで生活が豊かになることを、われわれ自身が考える市民革命だと思っています。サービスロボットの事業化を成功させるヒント大阪工業大学ロボティクス&デザイン工学部ロボット工学科 本田 幸夫 教授医療福祉ロボット【大阪会場】

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