イノベーションを生み出す 共創・共感のデザイン思考 NEDO特別講座 ロボットサービス・ビジネススクール 学校法人常翔学園 大阪工業大学
83/100

81 大阪工業大学で実施をしたデザイン思考を活用した地域社会を活性化する方策を紹介している。千林商店街というのは、大阪の三大商店街の一つであり、大阪市内の商店街の共通の問題である高齢化による人口動態の変化と都市部の住民の空洞化にどのように対応するのかという課題解決策が問われている。デザイン思考による解決策の見つけ方として、まず現場の観察をしっかりすることが重要である。単なる現場観察だけではなく、地域の特性、そこに住み人々の生活スタイルの特徴といった特異点解析をすることが重要である。その分析活動から、千林商店街のオリジナリティとは何なのかを徹底的に議論をすることが重要である。そこから、どのような活性化策を見出すか、それは参加者それぞれ様々な解決策が生まれてくる。それをチームビルディングとして個々のアイデアを紐解き、それぞれのアイデアつなぎ一つのチームとしての解決策にまとめ上げていくプロセスが非常に需要である。これがチームによる共創と共感のプロセスなのである。デザイン思考による解決策の追及に一つの正解というものは存在せず、参加者による共創と共感が重要であり、それによって醸成されたアイデアが地域活性化という個別最適解を生み出すのである。地域活性という地域特有の特徴を内在した課題に対しては、特異点を解決する個別最適を積み上げていくことで地域全体の全体最適解を見つけ出していくことは必要である。こういった活動にすることで、単発ではなく連続した課題解決策の繋がりになり、解決策の厚みが増し一つがうまくいかなくても二の矢三の矢と次なる方策の手が生まれてくる結果、足腰の強い地域振興策となると考えている。RTミドルウェア 活用アイデア【つくば会場】IoT×デザイン思考による商店街の活性化大阪工業大学ロボティクス&デザインセンター 油井 毅 係長

元のページ  ../index.html#83

このブックを見る