バイオサイクル研究室
BioCycle Lab.


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研究テーマ紹介


生物学的エタノール化反応を前処理に用いた
メタン発酵に関する研究


 食品系廃棄物を対象としたメタン発酵は、廃棄物処理とエネルギー生産の両面を解決できる技術として注目されています。メタン発酵とは嫌気性微生物を使って有機物を分解する生物処理プロセスです。分解の過程でバイオガスが生成し、これにはメタンが約60%含まれており、ボイラや発電に利用されています。
 当研究室では、飲食店の残飯にご飯などの炭水化物類が多く含まれていることに着目しました。これを糖化・エタノール化させることは既に行われていますが、本研究では通常のようにエタノールを取り出さず、そのままメタン発酵を行わせます。そうすることでメタン濃度の高いバイオガスを得ることができます。通常は炭水化物からのバイオガス中メタン濃度は約50%ですが、糖化・エタノール化を行ってからメタン発酵を行うと、理論的に75%とすることができます。
 本研究では、上記の理論通りに反応が進むかどうかを確かめるための実験を行っています。
(JSPS科研費26340105。発表論文:土木学会論文集G(環境),Vol.71,No.7,V_47-V_55,2015)




メタン発酵試験装置

OITキャンパスエコプロジェクト

 本プロジェクトは大学のキャンパスを社会と見立てて、バイオマスや太陽光などからの「創エネルギー」、「畜エネルギー」、「省エネルギー」およびそれらを最適化する「スマートコミュニティシステム」の要素技術を学び深めるプロジェクトです(詳しくは専用ページをご覧ください)。
 当研究室が担当しているのは、微生物の働きを利用して食堂生ごみからバイオ燃料を生産する「創エネルギー」プロセスです。生ごみは大きく分けて調理くずと残飯に分類されます。それらは、炭水化物、タンパク質、脂質などから構成されています。バイオ燃料プロセスのうち、”メタン発酵”、”水素発酵”、”エタノール発酵”、”微生物燃料電池”に取り組んでいます。
 メタン発酵などは農村部では実用化された技術ですが、廃液の利用先や施設の設置場所がない都市部では普及していません。生ごみなどの食品系バイオマスの大半が都市部で発生していることから、本研究室では都市部での普及に向けた課題をテーマとして取り組んでいます。