ピトー管での流速測定(式の導出)

ごみ焼却炉の煙道で｢いくらのガスが流れているか｣を計測する際に､まず､流速を計測します｡

(静圧)

ガス流れとノズル先端面が平行であれば､ノズル内圧は静圧に等しくなります｡

ノズルに接続したマノメーター(水を入れたU字管)の両端の水位差に着目します｡大気圧の力が､煙道内の力より強ければ､大気圧側の水位のほうが低くなります｡この状態を､｢煙道内が負圧である｣といいます｡

(ノズル先端面に煙道内のガスが直撃する)

ノズルの先端を曲げ､煙道内で流れているガスがノズル先端を直撃する状態を作ります｡

ノズル内は､圧力が高まりますので､U字管内の水を押し戻します｡

(水位差が意味するもの)

マノメータ内の水位差が圧力ですので､定量的に表現します｡

静圧測定時の水位差□□□□□□□□□□ ρ_wgh₁ = p_inner – p₀

図の通り､煙道内が負圧であれば､h₁はマイナスになります｡

ノズル先端面に煙道内のガスが直撃する時□□ ρ_wgh₂ = p_inner – ρ₀ + ½ ρ_g v²

ρwはピトー管内の流体の密度; ρgは煙道内のガスの密度; vは煙道内のガス流速です｡

(動圧から流速を求める式)

上記の両者の大気開放側の管を接続すると､動圧測定ができます｡

← 動圧測定

すなわち､

ρ_w･g･Δh = ½ ρ_g･v²

v = (2gρ_wΔh/ρ_g)^0.5

が得られます｡

(おわり)