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研究紹介

酸化亜鉛系溶液ゲートFETを用いたバイオセンサーの開発

 微量の血液で様々な健康指標マーカーを検出するための、自己診断用バイオセンサーを開発しています。このバイオセンサーはガラス基板上に形成された多結晶酸化亜鉛(ZnO)の電界効果トランジスター(FET)で構成されています。ZnOは低温で合成できる、人体に無害である、透明であるといった多くの特長を有します。図1にそのデバイスの模式図と典型的な検出特性を示します。FETのゲート表面にグルコースオキシダーゼという酵素を固定化することで、グルコースセンサーとして機能します。このセンサーは応答時間が短く、また、広い濃度範囲でグルコースを検出できるので、糖尿病患者のための自己血糖測定に役立ちます。ゲート表面に様々な分子識別物質を配列させることで、ヘルスケアチップへの展開も可能となります。

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図1 (a) 酸化亜鉛系FETグルコースセンサーの断面構造と(b) グルコース検出特性

フレキシブル酸化亜鉛透明トランジスター

 酸化物半導体の中には、現在液晶ディスプレーに使われているアモルファスSiより高い移動度を有するものもあります。我々は、透明かつ環境適合性が高いという特徴を持つ酸化亜鉛(ZnO)に着目し、フレキシブル基板上へのZnO薄膜トランジスター(TFT)の開発を行っています。レーザーアブレーション法による室温プロセスによって、伝達コンダクタンスが7.2 mS/mm、ドレイン電流のオン・オフ比2.8×106以上の、優れたトランジスター特性をプラスチック基板上で実現しました。また,電極の完全透明化を進めることで、これらのプロセス技術によってフレキシブル基板上へのディスプレー応用や透明集積回路への展開が期待できます。

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図2 (a)プラスチック基板上に作製したZnO TFTと(b)透明電極を用いて透明化したTFT

表面プラズモン共鳴(SPR)センサー

 通常の表面プラズモン共鳴(SPR)センサーは、ガラスプリズムの表面に金属膜を形成した構成で、周囲の物質の屈折率変化に対して高い感度で応答します。しかしながら、このようなセンサーは構造が複雑で非常に高価となっています。我々は、ガラス板上のTiO2薄膜上にAg ナノ粒子を析出させた材料(Ag/TiO2 薄膜)を開発し、簡単な構造の新しいSPRセンサーを開発しました。このセンサーを種々のアルコールに浸漬すると、図3のように、Agナノ粒子の局在プラズモン共鳴吸収ピーク位置がシフトします。このシフトを検出することによって、わずかに屈折率が異なる(1.3292~1.4103)アルコールでも、その種類を明確に区別することができます。

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図3 空気中および種々のアルコール中でのAg/TiO2薄膜の光吸収スペクトル

高強度テラヘルツ光源の開発

 テラヘルツ電磁波領域は「電磁波」と「光」の中間領域に当たる周波数領域にあり、安全・安心社会の実現に向けた様々な応用ができると期待されています。そのため、コンパクトで安価なテラヘルツ光源の開発が待たれています。我々は、インジウムヒ素(InAs)の薄膜を利用することで、厚い基板を用いた従来の光源に比べ、安価かつ高強度な光源が実現できることを見出しました。この技術により、現在広く利用されている光スイッチ素子に比べ、安価で使用が簡便なテラヘルツ光源の開発が可能となります。本研究は大阪大学との共同研究です。

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図4 新しく開発したTHz光源と,厚いバルク基板を使用した現在のTHz光源の性能比較

ワイドギャップ半導体の放射線耐性に関する研究

 ワイドバンドギャップ半導体であるGaNとZnOは構成原子の変位しきいエネルギーが大きいため、高い放射線耐性が期待されています。我々は、これらの材料に高エネルギーのプロトンビームを照射して、放射線耐性を評価しています。図5にGaNとZnOのバルク結晶に対して8MeVのプロトンビームを照射した時の、端子間抵抗値の変化を、照射前の抵抗値を1として規格化して示します(比較としてGaAsとInPのバルク結晶へ照射した結果も掲載)。ZnOバルク結晶が最も高い放射線耐性を示したことから、例えば高い放射線に晒される人工衛星に搭載する電子デバイスの材料候補として期待できます。本研究は筑波大学、東北大学、若狭湾エネルギー研究センターとの共同研究です。

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図5 プロトンビームの照射量と各種バルク結晶の端子間抵抗値の変化
(照射前の抵抗値を1として規格化)

中赤外光源のためのPbTe系量子ドットに関する研究

 電子と正孔を深い量子井戸に閉じ込めるために、ナローギャップ半導体であるPbTeの微少菱面八面立方体の形をした量子ドットをワイドギャップ半導体のCdTe中に自己形成的に成長させる、革新的な作製プロセスを開発しました。この量子ドットはヘテロ接合を構成する材料の格子定数が近接しているため歪みを包含せず、かつ、界面準位密度が少ない特長を有します。高い蛍光発光効率を活かして、SnTe半導体と混晶化させたPbTe量子ドットを用いる波長2.5~5 μmの中赤外領域における発光素子を研究しています。本研究はリンツ・ヨハンケプラー大学との共同研究です。

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図6 CdTe中に形成したPbTe量子ドットの透過電子顕微鏡像(a)、高分解能透過電子顕微鏡像(b)、ならびに第1原理計算法で求めた量子ドットの外形(c)

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