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第27回天文文化研究会
The 27th Workshop on Cultural Studies of Astronomy

2024年7月7日(),July 7, 2024 (Sun)
ハイブリッド形式,対面(大阪工業大学梅田キャンパス)あるいは ZoomとSlackを利用
Hybrid style (in person at Umeda Campus OIT, also in Zoom & Slack)


プログラム Program 
 確定版です. 
 7月7日
9:50松浦 清
Kiyoshi Matsuura
ご挨拶 Greetings
10:00 石坂 千春
Chiharu Ishizaka
(大阪市立科学館)
【50分+10分】[招待講演] 「ファン・ゴッホが見た星月夜」についての、ある別の視点(会場)
[Invited] Another perspective on Van Gogh's "Starry Night"
概要:ファン・ゴッホが描いた星空について、宇宙物理学者のルミネ氏が 『ゴッホが見た星月夜』で天文学的に考察していますが、絵に描かれた星 が何か分かったとして、ファン・ゴッホは、なぜそれを描いたのでしょうか?天文学的視点に、ある別の視点を加えて考えてみます。
11:00 松浦 清
Kiyoshi Matsuura
(大阪工業大学)
【40分+5分】 菅原道真の画像と月(会場)
Sugawarano Michizane with the moon, depicted in paintings and prints
概要:学問の神としても崇敬を集める天神の画像は室町時代から江戸時代にかけて多数制作された。一方、同一視されることの多い菅原道真の画像も江戸時代以降に多数制作され、その中には月とともに描かれた作品もしばしば認められる。道真画像と月との関係について検討する。
11:45 真貝 寿明
Hisaaki Shinkai
(大阪工業大学)
【10分+5分】 天体中星儀の指時表(時刻決定盤面)について (会場)
On the time-table of Tentai Chusei-Gi
概要:江戸時代の時刻は,不定時法が用いられていて,一刻の長さは季節によって変化した.天体中星儀は,夜空の星の位置から時刻を知る目的で足立信順が 1824 年に製作したものだ.南中した星から時刻を知ることができるような盤面(足立は指時表と名付けた)が付いた星座盤である.三重県津市井田文庫が所有する天体中星儀の現物を閲覧し,この器具の正確さを検討した.[print pdf]
12:00 新田 伸也
Shin'ya Nitta
(筑波技術大学)
【5分】 (オンライン)

(情報収集希望)8世紀の日本の学術レベルで、どの程度日食、月食が予測できたのかを知りたいと思います。
Lunch Break
13:00松尾 厚
Atsushi Matsuo
(日本天文学会 天文遺産選考委員会)
【50分+10分】[招待講演] 日本天文学会「日本天文遺産」について (会場)
[Invited] "Japan Astronomical Heritage" certified by the Astronomical Society of Japan
概要:7年目を迎えた日本天文遺産の制度概要と、これまでの認定遺産について紹介します。
14:00竹迫 忍
Shinobu Takesako
(数学史学会)
【40分+5分】中国暦法の歴史と渋川春海の貞享暦(オンライン)
History of Chinese calendar and Joukyou calendar by SHIBUKAWA Harumi-
概要:西洋天文学の影響を受ける前の中国暦法の歴史と基本的な計算法を紹介するとともに、そのほぼ最終形である授時暦と貞享暦での改良点を説明する。貞享暦は授時暦をもとに改良を加えた暦法であるが、これまで回回暦(イスラム暦)がその改良に用いられていたことは不明だった。また、これらの内容をもとに中国暦法が、西洋天文学による暦法に優ることができなかった理由を説明する。
14:45 真貝 寿明
Hisaaki Shinkai
(大阪工業大学)
【10分+5分】 星図・星座図の系譜 (会場)
Genealogy of star charts and constellation charts
概要:日本で作成された星図・星座図の系譜を,中国や西洋から伝来した星図とともにたどる.星座図の特徴として,星座の向きが反転したものか正像か,赤道座標か黄道座標か,星の等級がどこまで表示されているか,等の分類で,伝播経路や時代区分が可能なことを論じる.[print pdf]/[補助資料 pdf]
Coffee Break
15:30北尾 浩一
Kouichi Kitao
(星の伝承研究室)
【40分+5分】天文文化学の視点からニコライ・ネフスキーを考える (会場)
Thinking about Николай Невский from the perspective of Cultural Astronomy
概要:ロシア人言語学者ニコライ・ネフスキーが記録した宮古島とアイヌの星名伝承について、天文文化学の視点から考える。特に、どのような時間軸、空間軸上での天体に関する認識が星名伝承を形成していったかについて注目する。
16:15澤田 幸輝*,尾久土 正己**
Koki Sawada, Masami Okyudo
(*和歌山大学大学院観光学研究科,**奈良県立大学)
【10分+5分】奄美与論島における十五夜の盗みの変容過程と地域的差異 (会場)
A study of changing process and regional differences of children’ thieves at a full moon night in Yoron island
概要:旧八月十五夜は、全国的に子どもたちが月に備えた団子や餅を盗む風習がある。しかし現在の十五夜の盗みは、日中に実践されるなど習俗が形骸化している向きがあり、すでに消滅した地域も少なくない。本報では、鹿児島県与論島における十五夜の盗みを事例に、当該習俗の変容過程を島の社会経済状況を踏まえながら検討するとともに、島内における習俗の地域的差異の様相を概観する。
16:30玉澤 春史
Harufumi Tamazawa
(東京大学)
【10分+5分】 山東京伝「昔話稲妻表紙」挿絵の彗星 (会場)
Comet in “Mukashi-Gatari Inazuma Byoushi (昔話稲妻表紙)" by Kyoden Santo (山東京伝)
概要:山東京伝「昔話稲妻表紙」の中に梅津嘉門が母親と彗星を見るシーンがある.このシーンについての歴史天文および伝統的天文観からの分析を行う.
16:45古屋 昌美
Masami Furuya
【10分+5分】 北海道地方の七夕ろうそくもらいとその伝播について (オンライン)
About the custom of receiving Tanabata candles and its origin
概要:七夕の風習として近年知られてきた北海道を中心とした風習「ろうそくもらい」について、地域ごとの差異や北前船を介した伝播について紹介する。
17:00松浦 清
Kiyoshi Matsuura
(大阪工業大学)
科研費・挑戦的研究(開拓)「天文文化学の新展開:数理的手法の導入で文化史と科学論から自然観を捉える研究の加速 (2024-2028)」 の研究計画
The grant KAKENHI, "Advancements in the Field of Cultural Studies of Astronomy: Fostering cultural, historical, and scientific understanding of the view of nature applying mathematical approaches" (2024-2028)(会場)
17:30頃終了(やや延長の気配あり)
17:30頃情報交換会 (会場参加で交換会参加とお申し込みされた方のみ.レストランへ移動します.)



本研究会は,科研費・挑戦的研究(開拓)課題番号 24K21170「天文文化学の新展開:数理的手法の導入で文化史と科学論から自然観を捉える研究の加速 (2024-2028)」 のサポートを受けて開催します.


おまけ
『天文文化学序説--分野横断的にみる歴史と科学』(思文閣,2021)絶賛発売中.
『天文文化学の視点(仮)』(勉誠社,2024年12月刊行予定)
2024/7/2 update