多い年には7000人以上が来場する巨大地域貢献イベント「工作・実験フェア」。
小学生が90を超える工作や実験プログラムを体験できるイベントです。
このイベントは大阪工業大学の学生にとっても貴重な実践の場。
学生たちはこのイベントを通じて様々なことを学び、成長しています。

Growing Story 01
生田圭亮さん

担当プログラム

アルミでつくるオリジナルグッズ
黄銅でつくるオリジナルグッズ
くるりんブレスレット

生田オイダ 圭亮ケイスケさん

大学院  工学研究科  電気電子・機械工学専攻

プログラム紹介

アルミや黄銅を使ってペンダントやストラップを製作。
アルミを圧延して曲げるプログラムでは、模様もデザインできる素敵なブレスレットを作ることができます。

作ることへの意欲を感じてほしい

工作・実験フェアでは『アルミでつくるオリジナルグッズ』『黄銅でつくるオリジナルグッズ』『くるりんブレスレット』の3つのプログラムを担当し、準備期間中はレイアウトの考案や在庫の管理、フェア当日は学部生と一緒に子どもへの指導などを行いました。こういうイベントは子どもたちに「ものづくり」への興味を持ってもらえる良いチャンスだと思います。子どもにとって外で遊んだりゲームをすることは日常的なことだと思いますが、自分で何かを作る機会は案外少ないのではないでしょうか。

製作体験を通じて「これは良い」「これは良くない」「自分ならこうする」など、物の良し悪しをはかったり、作ることへの意欲を感じてもらえれば嬉しいです。

普段の研究にはない貴重な経験

3つのプログラムを管理していくのは大変でしたが、去年のフェアにも参加していたので、運営上の改善ポイントがわかっていたことは幸いでした。作ったアクセサリーを磨くときに渋滞が発生しないようスペースや動線を確保したり、作業ごみが発生しやすい工程に備えてゴミ袋を多めに用意したりと、事前に対策を打てたのは良かったと思います。去年と大きく異なるのは自分の役割です。去年は学部生として現場対応が主だったのですが、今年は院生としてプログラムの管理をさせていただきました。準備期間の確保や作業の振り分け、人に来てもらうための告知ポスター制作など、物事を俯瞰で捉えまわりの協力を得ながら進行していくというのは、普段の研究にはない貴重な経験でした。

何かを作れる人に

私は子どものころから作ることが好きでした。小さい箱が必要になったとき「自分が使う物は自分の手で作りたい」と、どこかで買ったりもらったりせず、身のまわりの物で作ったことを覚えています。そんな私にとって、工作機械が充実している大阪工業大学はピッタリな場所だと思います。ほかの大学も見学しましたが、ここより設備が充実している所はありませんでした。現在はアルミの鋳造技術の研究を行っており、いつかは人々の生活を一変させるような製品の開発に携わりたいと考えています。「大学でしっかり学びたい」と向学心のある人は、大阪工業大学を卒業したとき、きっと何かを作れる人になっていると思います。

生田圭亮さん
Growing Story 02
坂田裕崇さん

担当プログラム

輪ゴムダッシュカー

坂田サカタ 裕崇ヒロタカさん

大学院 工学研究科 電気電子・機械工学専攻

プログラム紹介

伸ばした輪ゴムが元の状態に戻る力を利用して、自走できるクルマを作ります。輪ゴムの力をうまく使うため、動力部分には鉄製の棒を使っています。

手間の向こうにある達成感と喜び

『輪ゴムダッシュカー』は輪ゴムの力で自走するクルマを作るプログラムです。それまでの工作・実験フェアでは動力を使ったプログラムが存在しなかったので、ゴムを使えば実現できるのではないかと考え、去年私が立ち上げました。このプログラムが子どもたちにとって、作る楽しさや面白さに触れるきっかけになれば嬉しいです。スマホやゲーム機などの手軽な娯楽と違い、切って貼って色を塗る手間はかかりますが、その先にある達成感や喜びに気づいてもらえればと思います。工作には刃物を使うため、スタッフによる目視確認はもちろん、注意喚起のための貼り紙を用意しました。何よりも子どもたちの安全確保を最優先にしています。

坂田裕崇さん

イベント運営の楽しさ・難しさを経験

プログラムでは物品の準備や展示レイアウトなど、管理的な業務を担当しています。教室では120人くらいの子どもたちが一斉に工作を始めるのですが、どうやれば全員均一に指導できるのかなど試行錯誤しました。また、素材の価格高騰により提供できるダッシュカーの数に不安がありましたが、ダンボールをもらったりほかのプログラムから資金を回したりと、コストの低減や調整も行いました。簡単だと思っていたことが実は難しかったり、予想もしない所で時間を取られたりしましたので、準備については念入りにするようになりました。来場者数が7000人を超える年もありますが、その規模のイベント運営を学生のうちから経験させてもらえるというのは、本当にありがたいですね。

意欲のある学生に力を貸してくれる

私はアルミの鋳造について研究していて、やがては生産ラインや工程の整理を行う「生産技術」のスキルを高めたいと考えています。大阪工業大学の特徴は、メーカーさんと共同研究した最新機器や産業用の機械などさまざまな工作機械が揃っていることと、学生の研究活動を大学が資金面でサポートしてくれる「プロジェクト活動」というシステムがあることです。そういう意味で、大阪工業大学は「ものづくり」に夢中な学生に力を貸してくれる学校だと思います。ちょっとスケールの大きな話になりますが、日本は加工貿易で成り立っている国ですから、大阪工業大学で学んで「ものづくり」に携わる若者がもっと増えたらいいなと思います。

Growing Story 03
山崎一輝さん

担当プログラム

機械・電子部品でつくる
オリジナルグッズ

山崎ヤマザキ 一輝カズキさん

工学部 機械工学科

プログラム紹介

ネジやLEDライトなど、機械工作で使う小さな部品同士をホットボンドで接着。手のひらサイズのオブジェやアクセサリーを作ります。

もっと良いものを作りたい

私は高校生のときに作ることの楽しさに目覚めました。授業で揺れを観測するための地震計を作ったのですが、自分が手がけたものは構造がシンプルだったんですね。ですがまわりを見てみると、すごく複雑に作られたものもあるし、構造は同じでもパーツの付け方が異なるものなどもありました。もっと良いものを作りたいと改良を続ける中で、自然と「ものづくり」の魅力にはまっていったのかもしれません。私が担当しているプログラム『機械・電子部品でつくるオリジナルグッズ』では、ネジなどの機械部品同士を接着してグッズを作ります。高温の接着剤を使うため注意は必要ですが、子どもたちが「ものづくり」の楽しさや、もっと良いものを作りたいという欲求に目覚めるきっかけになればと思っています。

何よりも安全性に配慮

接着に使うホットボンドは200度近い高温であるため、何よりも安全性に配慮をしました。対象年齢も小学5年生以上とし、小学4年生以下の子どもは保護者に同伴していただくようにしています。工作では50人近い子どもたちの作業を、12人の学生で見守ります。学生1人で4人の子どもを見ていくので、ほかのプログラムより目が届きやすい環境ではないでしょうか。教室内に貼る掲示物についても、作業の指示がわかりやすいか、危険を回避できるようになっているか、貼る場所や順番は適切かどうかなど、かなり気を使っています。自分たち学生にとっては使い慣れている工具ですが、初めて触る子どもたちが安全に使えるよう、あれこれと想定しました。

他校の学生や社会人とも交流

私は現在CADというソフトを使った設計や工作機械を使った演習などを行い、技術者としての基礎を学んでいます。大阪工業大学は工作機械が充実しているだけではなく、機械ごとに専属のスタッフがいて、使い方を指導してくれるのがありがたいですね。 また、大学が学生の活動を支援してくれる「プロジェクト活動」については、私は3年生まで「ソーラーカープロジェクト」に所属していました。毎年、鈴鹿サーキットで レースがあり、ほかの大学の学生や社会人と交流できたのは貴重な経験だと思います。大学卒業後は大学院で機械工学を中心とした専門的な知識を身に付け、ゆくゆくは自動車の開発に携わる仕事に就きたいと考えています。

山崎一輝さん
Growing Story 工作・実験フェア2019 当日の様子Growing Story 工作・実験フェア2019 当日の様子Growing Story 工作・実験フェア2019 当日の様子
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