人の力で空へ跳ぶ。
人間工学と航空力学の結晶。

Source for growth成長のポイント

人力飛行機プロジェクトの特徴としては、まずモノづくりの対象が非常に大きいことです。翼幅30 m以上の大きな機体を重量30 kg以下を目指して頑丈に作製するには、緻密な設計と地道な作業が必要です。また、知的財産学部の学生を含め11以上の学科に所属する学生が参加しており、学ぶ領域においても全学的なプロジェクトと言えます。以上の特長から、広い学問的視野を備え、問題解決のための総合的なアプローチを持ち、計画的にプロジェクトを遂行できる人材を輩出しています。

Gorls for growth活動目的・内容

人力飛行機プロジェクトは、名前の通り人力飛行機を設計・作製し、読売テレビ放送主催の「鳥人間コンテスト選手権大会」への出場、旋回ポイントへの到達、優勝を目指して活動しています。プロジェクト内には、「プロペラ班」「翼班」「電装班」など合計7つの班が存在しており、学生はそれぞれの班に所属して(兼務あり)機体の設計・作製などに取り組んでいます。また、人力飛行機のフライト見学および関係者同士の交流会としてHPA(Human Powered Aircraft)交流会が定期的に開催されており、他大学や社会人チームとの技術交流も盛んに行っています。

Location of activity活動場所

大宮キャンパスモノラボANNEX(1号館1階)

Message from faculty指導教員からのメッセージ

横山奨 講師(工学部機械工学科)
自身で構想・設計し図面を引いたものを実際に作製した経験はありますか?私は大学院に入るまで、そのような経験はできませんでした。自分の体より大きなものを構想・設計し作製した経験は未だにありません……。と言うことで、私は人力飛行機プロジェクトの学生が羨ましくて仕方ないのです。予算は大学から支給され思う存分に没頭できる……いいなぁ。羨ましすぎるので、担当教員を引き受けるときに1つだけ自分にルールを課しました。「絶対に手は出さない。」当然ですが、暴力とか体罰という意味でありません。手伝わないってことです。だって、皆さんよりも熱中するに決まっていますから。

Organization's Websites団体ウェブサイト(外部)

http://soaroit.jp/birdman/index.html

Voice report学生の声

岩崎さん
工学部応用化学科3年
(大阪桐蔭高等学校卒業)

内容は取材当時のものです

飽くなき挑戦が私を成長させてくれた。

人力飛行機の軽さと大きさに圧倒されたことがこのプロジェクトに参加したきっかけでした。毎年新調するプロペラ製作を行う班のリーダーとして、限りなく高い精度の大阪工業大学伝統の一枚ブレード製作に挑みました。最も重視したのは“ねじり角度”。必要な強度を維持しつつ、可能な限り軽量化に挑戦するプロセスは、木材加工だけでなく、カウンターウエイト製作のための金属加工など、幅広いものづくりに関する知識と技術が要求されます。また、人力飛行機には多くの接着剤が使われています。この点は応用化学科での学びを生かして、材質や必要な強度に合わせて最適な接着剤を選ぶことができました。持てるものを総動員して臨んだ2023年の「鳥人間コンテスト」では、8566.72mのフライトを記録することができ、学びの成果を感じられた瞬間でもありました。更にプロジェクト活動を通じて、ものづくりのプロセス全体で接着剤の役割や必要性を学ぶこともできました。学科での学びだけでは決して得られることができない経験だと思うので、大切な財産になっています。
学科で学んだ接着剤に関する内容とプロジェクト活動で培った最適な接着剤選びの経験を生かして、将来は接着剤メーカーの研究・開発職に就き、用途に合った接着剤開発をしたいと考えています。