ここでは構造物の劣化状態を音を利用して自動で正確に実施する手法を確立するため、これまでに培ってきた分析技術を利用し、高精度で耐用性の高い手法を検討しています。この手法では機械学習を利用して打音(構造物の劣化)を診断します。このとき音の特徴量として、人が感じる音の特徴をこれまでの音質評価研究で培った心理音響技術を通じて明確にし、人がどのように打音の良否を判断しているのかをモデル化します。さらに外部からのノイズ(動力源騒音)で打音が乱されている場合には、独自の伝達経路解析技術を利用しノイズに埋もれた打音を抽出します。これらの技術を組み合わせ、外部ノイズが存在する条件においても正確な自動診断技術を確立しようとしています。
この研究では、走行中の車内音や振動に暴露されることによるドライバーの車速認知性能の変化を調べています。特にこれまでエンジン音が聞こえていた条件と比較して、エンジンが無くなる次世代車に焦点を当て、従来車と同等以上の車速認知性能を維持した状態で快適な車内空間を実現するために望ましい車内振動や音の特性を調べています。下図はその先行研究として実施したエンジン音が聞こえる場合と聞こえない場合を模擬したドライビングシミュレータを自作し、車速認知性能を比較した結果です。
騒音改善の周波数が判明し、そのメカニズムが分かったことで、多くの部品や様々な周波数帯の中で重点的に対策が必要な部品および低減対象周波数帯が明らかになります。対策フェーズではシミュレーション技術を用い、着目する周波数帯の振動や音の低減を目指します。さらに様々な振動解析、音響解析を通じて音質改善に最適な対策案の検討も行なっています。
評価フェーズの次段階として「対象周波数帯の音・振動がどのようなメカニズムそして経路で伝搬しているのか」ということを把握する技術(分析技術)が必要となります。これが実現することで、無駄なコスト、ウェイトを付加せず効率の良い音質改善が期待できます。さらに他機能と騒音性能の両立を図ることも可能となります。本研究室では以下の分析技術を保有し、騒音発生メカニズムそして重点的に対策する部位や振動形状を明らかにする技術の構築を進めています。
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大阪工業大学 工学部 機械工学科 振動・音響研究室

振動・音響研究室では何を研究している?WHAT are we doing ?

音・振動を改善する。そして、活かす。

我々の周りでは自動車や飛行機、家電製品から様々な音や振動が発生しています。時には音楽のように心地よい音もあれば、反対に不快な音・振動もあります。製品音・振動は不快なものと捉えられやすいですが反対に、製品の状態を知る有効な手がかりになる場合もあります。このことから我々は様々な製品の音・振動に着目し、その改善する技術や活かす技術について研究を行なっています。

音・振動を改善する。

ヒトとって不快な音・振動を改善するために必要な技術を3つのフェーズ(評価フェーズ、分析フェーズ、対策フェーズ)に分けて技術開発を推進しています。



評価フェーズ
音・振動の良し悪しは、ヒトによって判断されます。そのため評価フェーズで必要なる技術としては、ヒトが感じる不快な音・振動を改善する為に、どの周波数をどれだけ下げれば良いのか?という疑問に答えるため、主観評価実験や統計処理、信号処理技術を駆使してヒトの感じ方をモデル化することを目的としています。


最近の研究課題
・ヒトによる複雑な音の評価特性の定量化を目指した機械学習による音質評価モデルの構築.
・自動車デザインとの調和を目指した車内音の検討
 (バーチャルリアリティーを用いた音,デザインの総合評価).
・家電機器や産業機械を対象とした使用状況を考慮した音質評価手法の検討.
【関連論文】
・Influence of listening attitude difference on sound quality evaluation to vacuum cleaner noise, Acoustical Science & Technology,Vol.42,No.1, pp.46-49, (2021)
・会話聴取性を考慮したポータブル発電機の騒音評価,日本騒音制御工学会2020年秋季研究発表会,
(2020)


分析フェーズ
評価フェーズの次段階として「対象周波数帯の音・振動がどのようなメカニズムそして経路で伝搬しているのか」ということを把握する技術(分析技術)が必要となります。これが実現することで、無駄なコスト、ウェイトを付加せず効率の良い音質改善が期待できます。さらに他機能と騒音性能の両立を図ることも可能となります。本研究室では以下の分析技術を保有し、騒音発生メカニズムそして重点的に対策する部位や振動形状を明らかにする技術の構築を進めています。


最近の研究課題
・実稼働TPAを用いた自動車走行時高寄与モード把握手法の検討.
・Blocked forceと実稼働TPAを用いた入力変更時車内振動・音推定手法の検討.
・複数の計測器を連携させた実稼働TPAによる寄与分離手法の開発.
【関連論文】
・主成分寄与分析を用いた実稼働時の車内音増大要因把握手法について,
 自動車技術会論文集,51巻,6号,999頁〜1005頁,(2020)
・Blocked Forceを導入した実稼働TPAによる車内音・振動予測手法について,
 自動車技術会2021年春季大会,(2021))
・複数の計測器を連携させた実稼働TPAによる寄与分離技術について,
 第31回環境工学総合シンポジウム,(2021)


対策フェーズ
騒音改善の周波数が判明し、そのメカニズムが分かったことで、多くの部品や様々な周波数帯の中で重点的に対策が必要な部品および低減対象周波数帯が明らかになります。対策フェーズではシミュレーション技術を用い、着目する周波数帯の振動や音の低減を目指します。さらに様々な振動解析、音響解析を通じて音質改善に最適な対策案の検討も行なっています。


最近の研究課題
・家電機器(洗濯機,ロボット掃除機,冷蔵庫等)の振動・騒音低減.
・産業機械を対象とした振動低減.
【関連論文】
・ロボット掃除機のファン吸引音に着目した騒音分析と改善,
 日本機械学会関西支部 2019年度関西学生会学生員卒業研究発表講演会,(2020)
・Power generator noise evaluation considering conversation audibility and improvement,
  Internoise2021, (2021)



音・振動を活かす。

  

「無音=良い」なのでしょうか?製品から発せられる音や振動は全て無駄なものなのでしょうか?このような疑問に対し我々は製品音や構造から発生する音・振動の価値にも着目しています。これまでの音・振動の改善技術で養ってきた様々な手法を適用することで、音・振動を活かす方法も検討しています。そして、必要な音・振動は残し、不要な音・振動は下げるを両立させ、最適な音・振動環境の構築を目指しています。
   
 

車速認知と音・振動の関係
この研究では、走行中の車内音や振動に暴露されることによるドライバーの車速認知性能の変化を調べています。特にこれまでエンジン音が聞こえていた条件と比較して、エンジンが無くなる次世代車に焦点を当て、従来車と同等以上の車速認知性能を維持した状態で快適な車内空間を実現するために望ましい車内振動や音の特性を調べています。下図はその先行研究として実施したエンジン音が聞こえる場合と聞こえない場合を模擬したドライビングシミュレータを自作し、車速認知性能を比較した結果です

最近の研究課題
・ステアリング振動を利用した車速認知性能と車内快適性の両立に向けた検討
 (ドライビングシミュレータを用いた車速評価と快適性評価).
【関連論文】
・車速認知と車内快適性の両立を目的とした車内音・振動に関する検討,
 自動車技術会論文集,52巻,1号,171頁〜176頁,(2021)


音の違いを利用した診断技術
ここでは構造物の劣化状態を音を利用して自動で正確に実施する手法を確立するため、これまでに培ってきた分析技術を利用し、高精度で耐用性の高い手法を検討しています。この手法では機械学習を利用して打音(構造物の劣化)を診断します。このとき音の特徴量として、人が感じる音の特徴をこれまでの音質評価研究で培った心理音響技術を通じて明確にし、人がどのように打音の良否を判断しているのかをモデル化します。さらに外部からのノイズ(動力源騒音)で打音が乱されている場合には、独自の伝達経路解析技術を利用しノイズに埋もれた打音を抽出します。これらの技術を組み合わせ、外部ノイズが存在する条件においても正確な自動診断技術を確立しようとしています。


最近の研究課題
・外部ノイズ環境下でのタイル剥離状態自動診断手法についての研究.
【関連論文】
・機械学習を用いた様々な打診方法による設備診断についての基礎検討,
 日本騒音制御工学会2020年秋季研究発表会(2020)
・ドローン騒音下におけるノイズ除去および機械学習を用いた打音成分評価法の検討,
 第31回環境工学総合シンポジウム(2021)


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