研究内容
これからの自動車は、スマホ・GPSやセンサを利用してヒト⇔クルマ、クルマ⇔クルマの衝突を防いだり、自動運転の時代になります。しかし、万が一ヒトがクルマにぶつかったとき、街中のスピード程度ではクルマのボディが変形し、さらに衝突の衝撃を吸収してヒトを守る。これから軽量化のためにクルマのボディはどんどんプラスチックになっていきますが、「ヒトを守る」材料になったら。そんな材料を研究しています。
レーシングカーのボディはすでにプラスチックでできています。プラスチックと繊維材料の複合化で硬くて強い、しかも軽い材料になっていますが、ヒトを守る衝撃の吸収性はありません。硬くて耐衝撃性のある粘り強い材料を目指しています。このためにプラスチックに無機の微細な粒を分散させて硬くて強い材料をつくるとともに、その無機の粒の表面にやわらかいプラスチックのブラシを生やして、界面に軟らかい層をつくることでここでぶつかった衝撃を吸収し、硬くてつぶれないプラスチックの実現を目指しています。
応用例・今後の展望
ヒトを守る自動車だけでなく、家庭に介護ロボットが導入される時代になります。このボディも硬くてやわらかいと安心です。ボーイング787は機体のほとんどがプラスチックと繊維材料の複合体でできています。ここにもこの研究による界面の技術を導入すると、より丈夫で長持ちの機体になるはずです。