研究内容
人とロボットが共に暮らす社会を実現するには、時間とともに変化する多種多様な環境の変化に瞬時に適応して目標の動作を遂行する高い状況適応能力と、衝突時や誤操作時においても人に危害を与えることのない高い安全性を併せ持つロボットの開発が求められます。本研究では脳の運動制御機構を模倣して設計した制御系に、近年急速に発達しつつあるAI(人工知能)技術の一つである自己符号化ネットワークを導入し内部モデルの低次元化を図ることで、未知環境下においても外力・異常を検知できるシステムを構築しました。またこれを応用し、検知した異常を回避するように冗長な自由度の動かすことで、安全性を確保しながら目標の動作を正確に行うことのできる福祉支援ロボットを開発しました。
応用例・展望
本研究で開発した環境認識技術・異常検知技術は、ロボットと人が直接触れ合う場合の安全性確保だけではなく、見守りシステムなど、カメラ画像や音声情報から異常状況を検知し、事故を未然に防ぐシステムにも応用できると期待されます。生体が持つ異常検知・変化検出能力は現行のロボットの能力をはるかに凌ぎますので、このような技術の開発により、事故のない、より安全な生活環境の実現に貢献できるものと考えます。