ケアを通して人をしあわせにする
ロボットやデバイスの開発・設計に
共同で取り組む姿勢を養えた

profile

高校2年生までは心理カウンセラーを目指していましたが、オープンキャンパスで人のケアができるロボットを開発できると知り、大阪工業大学に入学することにしました。プロジェクト活動(課外活動)の一つ、ロボットプロジェクトに1年次から所属し、神戸市のレスキューロボットコンテストでは、負傷者を運ぶロボットをチームで開発しました。私は電気回路やプログラミングについてまったく知らなかったので戸惑っていたところ、先輩に丁寧に教えてもらい手を動かしているうちに少しずつ覚えていくことができました。

もともと心理系に興味があったこともあり、ゼミは人の健康に携わるウエルネス研究室に所属しました。私が開発を手掛けたのは自閉症スペクトラム児の情動変化を予測する療育支援システムです。このシステムは身体にセンサ付きのウエアラブルデバイスを装着し、脈拍や呼吸、身体の動きなどの生体信号を計測してパニックになるのを事前に予測するものです。開発途中で最も苦労したことは、ウエアラブルデバイスの制作です。そこで、自閉症スペクトラムについて入念に調べると共に、実際の医師の声を聞くために、小児科医の先生の元を訪ねました。先生からは「自閉症スペクトラム児は感覚過敏の子が多く、身体に装着できるものは限られる。ベルトを外したり分解して壊したりすることもある」と聞き、ウエストベルトやリストバンドに取り付けるセンサの選別や回路設計、ベルトの素材や色などを工夫し、小型・軽量で丈夫にすることに苦労しました。

この経験を通じて学んだことは、一人では研究はできないということです。多くの人の協力を得てモノをつくった経験は就職後の仕事の場で生きてくるはずです。また大阪工業大学で叩き込まれたデザイン思考を生かし、就職後は人が本当に必要としているシステムを開発し、周りから頼られるエンジニアになりたいと考えています。