太陽光発電による電気自動車への充電を効率的に
「まちづくり」に関わる課題をシミュレーションで学ぶ

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太陽光発電で電気自動車を充電する場合、充電は日中にしか行えません。夜間家で充電してその車で職場まで行くのでは、蓄電による電力の消費が行われて非効率です。そこで充電を日中に、職場の駐車場で行うことができればロスがありません。また、日々の車の使用率や使用時間などから「いつまでにどれほど充電すればいいか」をAIが判断し、一日の太陽光発電量に合わせて電力を供給する「スマートチャージ方式」という方法を採用すれば、さらに効率的にできる。これが、私の研究テーマです。

「まちづくりに携わりたい」という思いから、建築学を学ぶために大阪工業大学に入学しました。入学後、CAD/CG演習や測量実習など実際のソフトや機器をつかった実践的な授業を体験。3年生では8人グループで仮想の道路建設計画を行う「プロジェクト演習」を体験。道路を建設するにあたり、付近住民への配慮や盛土切土が発生した場合の経済的配慮、環境面への配慮などを細かくシミュレーションしたことで、チームによる課題解決の手法を学べたと思います。大学では専門知識を学ぶとともに、「人と関わりながらなにかを完成させる過程」を体験できました。時に衝突することもありますが、そこからも多くの学びや気づきを得られたと思います。

所属している社会資本計画研究室では、インフラ計画を行ううえで、住民の予測行動を計画に反映させるため、アンケート調査や予測シミュレーションを活用する研究を行っています。環境を考慮したエネルギー充電方式の研究に取り組んだのは大学院に入ってから。2021年にスウェーデンのウプサラ大学に留学し、現地の研究生や教授とコミュニケーションをとる過程で得た知識から、このテーマに出会いました。留学先での経験を研究に昇華できたことを、とても嬉しく思います。 卒業後はまちづくりのなかでも特に道路開発に力を入れている建設コンサルタント企業で働きます。大学で学んだことを活かしながら多分野の技術者たちと協力し、それぞれのまちに適した計画・設計を行いたいと思います。