健康に効果があって身体に優しく、美味しいものを
先行研究のない「食と医療」の研究に挑戦

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小さい頃から扁桃腺(へんとうせん)が腫れることがあり、痛くなったときはマヌカハニーを食べていました。すると喉の調子が良くなったと実感することも。食べ物が薬と同じような効果があると感じました。この体験から食と医療の関係に興味を抱くようになりました。大阪工業大学に入学したのは、生命工学科を擁し、医療大学とも提携・交流を行っていることを知ったから。ここなら「食」と「医療・健康」について専門的に学べると思いました。

学部時代、班に分かれて用意された様々な糖を用いて分量を調節し、「美味しいサイダー」を作るという実験を体験。それぞれの人で違う「美味しさ」という主観的なものを、チーム作業でどう再現するかというのは難題でしたが、この研究がのちの研究で「身体によく、美味しいものを作る」というテーマに結びつきました。

ほかにも、生命工学PBLでは8人の学生で「吸光度計」という測定器具を制作。機器製作は専門外でしたが、在学中にCADを学んでいたことが役立ちました。また、班員の意見をまとめたり、制作方針を率先して提案したり、集団で作業することの基本を身につけることができたと思います。また、後の実験・研究で吸光度計をよく利用するため、実際に制作してその仕組みを知ったことで、卒業研究・修士論文のための実験を効率良く行うことができました。

大学院では特定の食品(ハチミツの一種)を被験者に食べてもらい、その後生じる身体の変化を測定して、その食品が生体内で機能するかどうか検討する研究を行っています。自身の経験に根差した研究内容であり、かつ最も興味のある分野であるため、とてもやりがいを感じながら取り組みました。
参考資料文献はあるものの先行研究が無いため、試行錯誤を繰り返して研究を行うこともあり、「自分で考える」こと、そして責任を持って物事に取り組む姿勢も身につけることができました。
内定先の企業は、畜産業や漁業など日本の食文化を支えるための飼料を作る企業。研究者として食の安全を確立し、人々の食品に対する不安をなくしていくことが目標です。