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ソーラーカープロジェクトがクラス6位の好成績で最後の鈴鹿を締めくくりました

2021.08.06

  • 約80km/hの速度で疾走する本学のソーラーカー「cielo」 約80km/hの速度で疾走する本学のソーラーカー「cielo」
  • コロナ禍によりピットメンバーにも人数制限があった コロナ禍によりピットメンバーにも人数制限があった
  • 30年の歴史に幕を閉じるソーラーカーレース鈴鹿 30年の歴史に幕を閉じるソーラーカーレース鈴鹿

 7月30日、31日に三重県の鈴鹿サーキットで開催された「FIA Electric & New Energy Championship ソーラーカーレース鈴鹿2021」の最高峰・5時間耐久のオリンピアクラスに本学ソーラーカープロジェクトチーム「TEAM REGALIA」が出場。車内温度が50度を超える酷暑の中、54周を走り抜き、クラス6位(総合9位)の好成績を収めました。
 
 オリンピアクラスは大学チームだけでなく企業チームも参戦する5時間耐久レースで、1周約5.8kmのコースを走行し、時間内での周回数を競います。初日は車検とフリー走行で、走行タイムにより2日目の決勝レースのポールポジションが決定します。上位のポールポジションからスタートして逃げ切る作戦でしたが、フリー走行中に前輪2本がバースト(破裂)し、コースアウトとなり、その結果、全クラス24チーム中21番目の位置からスタートすることになりました。下位からのスタートになってしまったため、「バッテリー温存を考えず、とにかく前に出ること」に作戦を変更しましたが、序盤から雷雲が近づく不安定な天候で発電効率が予定より悪く、この作戦も上手くいきませんでした。
 発電効率が上がらない状況下でファーストドライバーの宮大岳さん(電気電子システム工学科2年)とセカンドドライバーの中辻真人さん(機械工学科1年)は安定した走行を心掛け、レース折り返しで総合16位のポジションをキープ。サードドライバーの壹岐梓さん(機械工学科1年)にバトンタッチしたころには天候も回復してきており、チームは巻き返しを図ろうと仕掛けますが、1年間の出場ブランクや今回のレースで初めてステアリングを握るドライバーであったことなどから、思うようにスピードを上げることができませんでした。そこで急遽ファーストドライバーを務めた宮さんにドライバーチェンジを行い、ラスト90分を全力で走行。順位をみるみる上げていき総合16位から9位のポジションに浮上しました。チェッカーフラッグを受けた54週目にはその日のベストタイム4分51秒730をたたき出し、クラス6位、総合9位に。リタイアするチームもある中、見事に5時間耐久レースを完走。技術的なトラブルによるピットストップは一度もなく、2年ぶりとは思えない安定した走行を見せました。
 
 太陽光パネルを新調し、2年前と比較して約2倍の発電効率がある車体に仕上げましたが、天候に左右され作戦の重要性を思い知らされたと語るリーダーの三宅立紀さん(機械工学科3年)。「状況が刻一刻と変わる中で、レース終盤9位にマークできたのは日々技術力を磨き続けたチームメンバー全員のおかげです。本当に感謝しています」と晴れやかな笑顔を見せました。
 
 ソーラーカーレース鈴鹿は1992年に第1回大会が開催され、1994年にはFIA(国際自動車連盟)カップとなり現在まで続いてきましたが、「技術が進化し代替エネルギーのトレンドも変化した現在の社会状況のなかで、ソーラーカーレースがこれまで担ってきた役割を果たした」との理由で、今大会をもって終了することが発表されています。本学は2008年から通算13回出場しており、ラストランを務めた宮さんは「チェッカーを受けた最終周でベストタイムを記録でき、最後のドライバーとして名前を遺すことができてうれしいです」と最後の鈴鹿を締めくくりました。「TEAM REGALIA」は3年生が引退し、新体制での活動がスタートします。新たな目標を定め、これからも活動を継続していきます。
 
ソーラーカープロジェクトチーム「TEAM REGALIA」指導教員
・機械工学科 伊與田宗慶 准教授、鵜飼孝博 講師