学生フレンドリーで多彩なプログラム
OIT工学部は、国際的な視野を持ち主体的に行動できるエンジニアを育成する「先進的なグローバル教育」を推進しています。
最大の特長は、学内外の機関や部署と緊密に連携しながら、学生個々のニーズやレベルに応じた多彩なプログラムを提供していることです。もちろん、そうした機会活用の基盤となる専門科目や英語科目、またグローバルマインドを育む人文系の講義など、教育課程との接合も強固です。
海外の大学で現地学生と協働して課題解決型学習に取り組む「国際PBL」、海外で専門的な研究を行う「海外研究支援」や「海外ラボ体験」、学内の英語学習支援施設「LLC」による自立学習相談や大学院進学予定者向け講座、英語研究室が監修する模擬国際会議「MIC」など、相互に連関する幅広いメニューの中から、学生は自分の成長曲線に合わせて最適なプログラムを選び、場合によっては複数の活動を順次利用しながら、グローバル人材への扉を大きく開いていきます。
視野を広げ、スキルを高める海外体験
海外に出向く一連の活動は、「国際交流・連携プログラム」と呼ばれています。初歩的な「語学研修」「文化体験」や、専門的な短期研修の「国際PBL」「海外ラボ体験」、さらに長期の「海外研究支援」まで、2014年度実績ではOIT工学部や工学研究科の100名を超える学生が、アジアや欧米での活動を経験しています。
たとえば「国際PBL」では、面接によって選ばれた42名の学部学生が台湾の国立台北科技大学に赴きました。研究室での協働研究や大学寮での生活などを通じて、多様な刺激を受けて専門的知識・技術や語学力の重要性を再確認できたので、多くの学生の学習に取り組む姿勢が帰国後は著しく変化しています。
また、学科の中には、それぞれの特性に応じて特別な海外との交流プログラムを準備しているところもあります。電子情報通信工学科と電気電子システム工学科が共同で運営している「シリコンバレー・スタディツアー」が、その一例です。
「LLC」で実践的英語力の向上をサポート
こうした「国際交流・連携プログラム」に参加する学生の実践的英語力向上を支援するのが、学内の英語学習支援施設「LLC (Language Learning Center)」です。
2012年4月にオープンしたこの施設には、現在4名のネイティブ教員が所属しています。学生個々の目的やレベルに即した自立英語学習の相談窓口を開設しているだけでなく、「国際交流・連携プログラム」のそれぞれの活動内容に応じた事前レッスンを提供しています。くわえて、OIT工学部から大学院に内部進学する学生用の特別講座も担当し、世界エンジニア予備軍たる学生のニーズに応えるべく、さまざまな角度から工学分野での英語運用力養成に力を注いでいます。
また、「LLC」のサロンには、ハリウッド映画のDVDや英米のゲーム、あるいは英語の芸能雑誌など、楽しみながら英語学習ができる教材が豊富に準備されており、カジュアルな学習環境を好む学生が足しげく通うスポットとなっています。
擬似環境で英語プレゼンスキルを高める「MIC」
「LLC」はまた、模擬国際会議「MIC(MockInternational Conference)」の取り組みとも密接に連携しています。
この会議は、OIT工学部英語研究室が企画監修するPBL型事業で、口頭発表やポスター発表、さらには懇親会まで、実際の国際学会の形式を可能な限り模倣して開催されます。発表者と運営スタッフはいずれも学生で、事前に「LLC」スタッフから講習を受けて本番を迎えます。学生や教員などを合わせて例年100名を超える全国的にも稀な規模のため、その臨場感は、世界エンジニアとしての活躍をめざす学生にとってはきわめて貴重な体験となり、将来への自信につながっています。
現時点での発表者は、多くが大学院生です。けれども、2014年度にスタートしたOIT工学部の新たな教育課程はグローバル人材育成に力を注いでいるため、その教育成果が浸透するにつれて、学部学生の発表も今後ますます増加していくことが期待されます。




大学1年次に短期語学研修でオーストラリアに3週間滞在し、2年次では国際PBLで台湾の学生と共にものづくりの課題に挑戦。3年次ではシリコンバレーへのスタディツアーに参加しました。英語に関する苦手意識は少しずつ薄れていき、むしろ現地での企業見学の時、日本語に訳していただいた専門用語が難しく、英語だけでなく専門分野のさらなる勉強が必要だと痛感しました。
大学院に進学する前に国外の状況も知っておくべきだと考え、シリコンバレーへのスタディツアーと、台湾での国際PBLに参加しました。米国では、建物も人もすべてにわたってスケールが大きく、人種も非常に多様なことに驚きました。スタンフォード大学では、産学連携の米国流プロセスや推進のためのポイントなどについて説明を受け、エンジニアである自分自身が、考えながら物事を進めていく必要性を強く感じました。また学生と企業の距離が近く、共同プロジェクトなどが実現するケースも多いようで、企業というもののあり方についても深く考えるようになりました。
2014年にシリコンバレーでのスタディツアーに参加し、スタンフォード大学のCDR(設計工学センター)でイノベーションデザインについて学ぶなどして、米国人の柔軟な発想力に驚きました。また欧米には自社の独自技術を公開し、他企業とのコラボレーションで新規製品を開発しようとする風土があると知り、自分も将来そのようなオープンな環境で研究開発に携わっていきたいと思いました。
半導体の研究室に所属する私にとって非常に魅力的な、グーグル、インテル、スタンフォード大学などを視察できると聞き、このチャンスを逃してはいけないと考え、シリコンバレーへのスタディツアーに参加しました。感動的だったのはインテル・ミュージアム(インテル本社内)。自分の研究が実社会とつながっていることが実感でき、非常に嬉しかったです。また異なる視点から見ることで発想を転換し革新的な研究を進めるには、専門的な勉強だけでなく、専門以外の分野に関する知識、そして柔軟な発想力が必要だと感じました。