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大阪工業大学 情報科学部 情報システム学科 宇宙物理・数理科学研究室(真貝)

「宇宙物理」について

2007/1/15 追記

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 「宇宙物理」とは   ひとくちに「宇宙物理」と言っても範囲はとても広い.宇宙に関する学問であることは確かであるが,「天文学」と 違うのは,実際の現象を説明する背景の理論に注目している点である.
宇宙を形成するもののスケール順で並べてみると,
  • 宇宙全体がどうなっているのかを議論する「宇宙論」
  • 銀河や太陽系のダイナミクスを議論する「多体粒子系物理」
  • 銀河中心や星やガスの構造を議論する「輻射流体,電磁流体物理」
  • 超新星爆発などのダイナミクスを議論する「相対論的流体力学」
  • 星の内部構造を議論する「核物理」
  • 星の軌道を議論する「古典物理」
  • ブラックホールや中性子星など高密度天体現象を議論する「相対性理論」
などとなる.それぞれに奥深い分野である.当研究室で挑むのは太字で示した「相対性理論」と「宇宙論」である.
 「相対性理論」とは  
「相対性理論」は2つある.特殊相対性理論と一般相対性理論で,どちらもアインシュタインが一人で作り上げた.
特殊相対性理論(1905年)は,光の速さに近い場合の力学法則で,時間の進み方は観測者の状態によって相対的に異なる,という結論を導く.日常生活からは想像もできない世界かもしれないが,素粒子レベルでは実際に確かめられており,現在の素粒子物理学は特殊相対性理論の上に構築されている.
一般相対性理論(1916年)は,特殊相対性理論をさらに一般化したもので,重力の根源は時空の歪みである,という結論を導く. 一般相対性理論は,光さえも出られないブラックホールの存在を導き,時空の歪みが重力波として伝わることを予言し,宇宙が膨張することを説明する. ワームホールやタイムマシンの可能性も理論的に導出される. この理論も日常生活とは関係ないと思われるかもしれないが,そうでもない.例えば,カーナビなどで使われているGPSシステムは,地球の重力による空間の歪みを計算式に入れないと正しい位置を表示できない.つまり,一般相対性理論の恩恵を受けているわけである.

     ワームホール
 もう少し詳しく   興味を持たれた方のためのリンクを2つ.
 おまけ   世の中,「アインシュタインは間違っていた」とか「相対性理論は正しくない」とか宣伝している方々もいるが,きちんと勉強せずに,ただちに信じてはいけない.
アインシュタイン以後,一般相対性理論以外の重力理論も、数多く提案されているが,現在までにほとんどが観測的に棄却されている.量子論と一般相対論の統一という物理学の試みは未だ進行中であるものの,一般相対性理論を積極的に否定する観測事実・実験事実は一つもない.他に提案されたどの重力理論よりも一般相対性理論は単純な形をしていることから,重力は一般相対性理論で記述される,と考えるのが現代の物理学である。
 連絡先   大阪工業大学 情報科学部 情報システム学科 真貝寿明
〒573-0196 大阪府枚方市北山 1-79-1
Phone: 072-866-5393(研究室)
Email:

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