情報科学部
実世界情報学科(仮称)2025年4月開設予定・設置届出中

PICK UP !

DXフィールド

ドローン

プロジェクト活動

中之島ロボット
チャレンジ

実世界(現実世界)と情報世界を結び、
もっと夢のある未来社会を。

世界的な気候変動や新型コロナウイルス感染症の蔓延、さらに日本国内では人口減少や少子高齢化、経済成長の停滞など、国内外の課題は常に変化し、その数も増加の一途を辿っています。その一方で、AIをはじめとする情報技術の進化によって、ドローンや自動運転車といった便利な新技術も次々と生まれています。もし、実世界の情報をあらゆる課題の解決に活用できれば、SDGsの達成や便利で安全な社会づくりも実現できるはず。そんな次代の技術者の養成をめざし、大阪工業大学情報科学部に実世界情報学科(仮称)が誕生します。

実世界情報を活用する未来のサービス。その一部は、すでに私たちの暮らしのそばに

  • バスのロケーション&
    混雑表示システム

    バス停に到着したバスに当然のように乗りこむ私たち。でも実は後から来るバスの方が空いているケースがよくあります。走行している複数のバスの混雑状況をリアルタイムで確かめられるシステムがあれば、快適な移動がかなうだけでなく、渋滞の緩和やCO2の削減にも貢献できるのです。

もっと見る

  • 河川氾濫はんらんの予測システム

    豪雨などで氾濫(はんらん)の危険がある河川。その水位情報はインターネットで発信されていますが、上流の状況を確認できるドローンカメラを飛ばし、総雨量や水位のデータ、定点監視カメラの映像など組み合わせれば、より確実な予測が可能に。下流地域の人々の迅速・安全な避難にもつながります。

  • ドローンの自動運転AI

    様々な気象条件のデータを集めて、それを拡張した条件でコンピュータ内で何百万回も試運転し、ドローンの自動運転AIを学習。強風や山間部といった操縦が困難な状況でも、学習したAIが安全かつスムーズに自動で運転してくれるので、災害状況の調査や行方不明者の捜索に役立ちます。

  • 農作物集荷支援システム

    畑の中でも農作物の生育度合いはバラバラで、収穫に適したものを探し回るのはとても大変です。ドローンを使えば上空から撮影した写真で一目瞭然、作業する人をその場所までナビゲーションできます。また、地上走行ロボットが収穫した農作物を集積所まで自動で運んでくれて農作業を楽にしてくれます。

  • CO2排出ゼロ建物の
    監視・制御システム開発

    地球温暖化防止のために、建物で消費する電気などのエネルギーも賢く節約しながら使う必要があります。誰も居ないのに照明がつきっぱなしだったり、エアコンをかけているのに窓が開きっぱなしだったり、ムダは沢山あります。人間が見回りしなくても実世界の情報を集められれば簡単に対処できますね。

  • インフラ監視システム

    スマホの通信が極端に遅くなったり、電車の故障で長時間閉じ込められたり、豪雪で車が立ち往生してしまったり、私たちの暮らしを支えるインフラに問題が起きると日常生活に大きな影響が出ます。一刻も早い復旧のためには、どこで何が起きているのか分からないといけません。ドローンやIoT(モノのインターネット)などの力で早く復旧させる技術が求められています。

学科長(就任予定)挨拶

実世界の問題を扱う実践的な教育に込めた思い

■ 実世界情報学科 学科長(就任予定)
酒澤 茂之

実世界情報学科という名称は耳慣れないものですが、その源流はアメリカの国立科学財団が重要な研究分野として位置付けている サイバー(情報世界)・フィジカル(実世界)・システムにあります。現実世界(実世界)にある人・モノ・環境情報を集めてビッグデータとし、AIを活用して実世界の問題の解決方法を見つけ、その結果を実世界に戻してドローン・ロボットや機器類をプログラムで制御していきます。具体例はこのWebサイトに載せてありますので、ぜひご覧ください。
実世界情報学科における学びは、入学直後からドローンを使った実践的な授業から始まります。これまでの情報科学部における教育の経験から、講義で学んだことをその場で自ら体験できる実践教育によって、学生の皆さんに学ぶことの意義を体感してもらいたいという意図があります。このように本学科では興味と意欲を持ってもらうことで、学生の成長を促す教育を提供してまいります。
実世界情報学科が扱うテーマは、企業にとってもAIをはじめとする最新の情報科学技術をいかに活用して社会課題を解決していくかというビジネスと直結するものです。そのためのAIやプログラミングの基本スキル、IoT (モノのインターネット)などの専門知識、実際の社会課題への取り組み経験を持つ学生は就職活動においても高いアピール力を持ちます。本学科においては、意欲を持たせて学生を成長させ、工大の強みである就職力と相まって、社会へ力強く飛び立たせていく所存です。

設置の目的

SDGsに向けた未来社会を創っていくために、現実世界の情報とサイバー世界のAI処理を融合させ、社会の課題を具体的に解決できるプロフェッショナル人材を育成します。

学びの特色

1年次からすぐにドローンやコンピュータを使いこなす実践的な授業

入学直後からドローンやソフトウェア・コンピュータを使いこなす授業がスタート。実世界の情報を取得するIoT(モノのインターネット)も学びます。1年次前期から後期にかけて「実世界情報入門」「コンピュータ入門」「IoT概論」などの授業を実施予定です。

1年次

実世界情報入門(1年次前期前半)

ドローンは空撮や点検等の分野において利活用されており、そこに情報技術を組み合わせることで自動追尾など新たな用途が開けています。ドローンに関する基礎知識から法規制等を講義で解説するとともに、ドローンを用いた実習も行いながら、ドローンを取り巻く現状と可能性について幅広く学びます。

コンピュータ入門(1年次前期)

コンピュータの最も基本になる2進数の計算方法から始まり、コンピュータの中で実際にどのように計算が行われるのかを学びます。スマホの通信で気になる、ギガバイトとは何か、情報量の概念もわかるようになります。これら情報科学における基礎のキソから丁寧に教えます。

IoT概論(1年次後期)

IoTはモノのインターネットであり、例えば温湿度計や体重計がインターネットに繋がって健康管理に利用されます。講義に加えてその基礎技術をパソコンとマイコンボードを接続したシステムを用いて学びます。実際にネットワークに接続されたマイコンボードに触れながらIoTシステムの構築方法についても学びます。

最先端のAI・人工知能を学ぶとともに必須のプログラミングも

入門を学んだあとは、プログラミングや人工知能の基礎を学習。1年後期から2年次前期にかけて「C演習Ⅰ・Ⅱ」「人工知能」などの授業に取り組みます。マーカーを用いたドローンの動作制御にも取り組むなど、実践的な体験が確かな理解を支えます。

2年次

C演習Ⅰ・Ⅱ(1年次後期・2年次前期)

幅広く使われているC言語を用いたプログラミングを自分の名前を表示するレベルから、円周率をコンピュータで求めるレベルまで、ステップアップしながら学びます。教室内に複数の教員と先輩の学生がいるので、初歩的なところから高度な内容まで、いつでも気軽に質問してレベルアップしていける教育を行っています。

人工知能(2年次前期)

人工知能(AI)は現在最も注目を集める技術です。人工知能を実際に使ってみることを重視して、画像認識や似ているものを自動分類するなど様々な問題ごとに良く用いられる人工知能の手法を実践的に学びます。その過程でプログラミング言語Pythonをスムーズに習得することができます。

1年次は個別サポートを。3年次以降はより実践的なゼミへ

入学直後にオンラインツールのトレーニングや少人数グループでのゼミでフルサポート。プログラミング系の演習も先輩学生が支援してくれるので安心です。3年次で研究室に配属になり、早期に教員から指導が受けられ、4年次からの卒業研究へとつながります。

2年次

実世界情報基礎演習(2年次後期)

少人数のグループでマイクロコンピュータとセンサを用いてIoTシステムを想定した実験や、ロボットキットを用いてロボットの動作を制御することに取り組みます。グループのメンバーと協働する力も身につきます。


3年次

情報ゼミナール(3年次後期)

配属された研究室ごとに、その研究室ならではの題材でプログラム作成に取り組んだり、学園祭で出し物を作ったり、短期間でできるミニ研究を行って発表するなど、様々な取り組みが行われます。研究室によっては、授業後に大学近くのボウリング場に出かけたり、先輩の学生と交流するところもあります。

教員・研究

実世界×仮想現実!VR空間に広がる新たな学びの可能性

矢野 浩二朗 教授(着任予定)

研究概要

皆さんは、学校の授業で新しいことを学んだ時、頭の中でうまくイメージできなくて困ったことはありませんか?タンパク質の化学式を見せられても、「炭素が何個で水素が何個で」なんて書かれているだけで、原子はどんな形をしていて、それがどんなふうに繋がっているのかはわかりません。「実際に見てみたい!」と思っても、あなたの目の前に電子顕微鏡はないのです。そんな時は、矢野教授のメタバース空間へ行ってみましょう。そこには、授業で学んだ様々なものが、実際に目に見える形で並んでいる、いわばバーチャル博物館。矢野教授の研究テーマは、VRを使用して教育環境を発展させること。生命科学の授業では通常講義のあとで、バーチャル空間に入って授業で学んだものを確認する時間が設けられていて、パソコンやVRゴーグルで3Dモデルを目にすることができます。いずれは、バーチャル空間で3Dモデルを見ながらAIと会話して学習するような、まるでSFのような世界がやってくるかもしれません。

情報科学は実世界にどう貢献するのか?エデュテインメントで育てる次世代のデジタルネイティブ

樫原 茂 准教授(着任予定)

研究概要

樫原准教授の研究テーマは、「情報科学をいかに社会に応用するか。」情報端末を使用して動植物の生育環境を整える実験なども行っており、研究室に入るとエディブルフラワー(食用花)やカニなどを見ることができます。また、研究室ではここ数年、ドローンを使用したエデュテインメントを学生中心で研究しています。エデュテインメントとは、エデュケーション(教育)+エンターテインメント(娯楽)の造語。つまり、「ドローンを使って、楽しく学ぼう」ということです。歴代の学生たちが企画したのは、小学生にドローンでゲームをしてもらうこと。ドローンといえば複雑なプログラミングやコントローラーによる高度な操作技術が必要と思いがちですが、ここで使うのは、ARマーカーという図形が描かれた小さなカード。このカードでドローンを操作して、ゴールまで導くゲームです。このような試みを通じて、子どもたちに情報科学に触れてもらうと同時に、記憶力や思考力を楽しく身につけてもらおうというわけです。

自由で開かれたWeb技術の世界WoTでスマートホームが新たなステージへ

酒澤 茂之 教授(着任予定)

研究概要

「電気を消して」「今日の天気は?」今やすっかり普及したスマートホームデバイスは、私たちの生活を便利で豊かにしてくれています。しかし、そんな便利なデバイスにも欠点があります。それは、互換性の問題。一口に「スマートホーム」と言っても、デバイスによってそれぞれ専用のアプリが必要だったり、まとめて操作してくれるスマートスピーカーにしても、様々な規格があります。そんな問題を解決すべく、今、W3Cという団体が統一規格「Web of Things(WoT)」の策定を進めています。酒澤教授の研究もまさにこれで、規格の違う複数のスマートデバイスを、統一された一つのコントローラーで操作できるようにすること。「電気をつけるのは、どっちだっけ?」などと悩む必要はなく、家電を買うときも、「この端末はうちのスピーカーに対応してる?」などと考える必要はありません。このような研究が進むことで、特定の企業が市場を独占することがない、自由で開かれたスマートホームの世界が発展していくのです。

施設紹介

最先端のドローン技術を体験できる
「DXフィールド」が誕生

実世界情報学科(仮称)の開設に合わせ、「DXフィールド」を整備予定。主にドローン関連やデータサイエンス関連の実習・演習の舞台になるほか、ドローンスクールと提携した国家資格向けの練習場としても活用を予定しています。実機を用いた最先端の学びを体験できる注目の新施設です。

こんな研究が可能に

  • 自律飛行ドローンや自動走行車を
    活用した交通・配送サービス
  • 多角的なIoTセンシング
    による群衆行動解析
  • 防犯/防災監視ドローン
  • ドローン協調農業ロボット
  • 超群ネットワークロボット

など

科目一覧

1年前期 1年後期
数理科学

線形数学Ⅰ

微積分学Ⅰ

微分方程式

専門基礎
  • ディジタル回路Ⅰ・Ⅱ
  • IoT概論
  • テクニカルライティング
基幹科目
応用科目
演習科目
2年前期 2年後期
数理科学

グラフ理論

情報数学

専門基礎
  • データ構造とアルゴリズム
  • 情報通信ネットワーク
  • 人工知能
  • 情報処理基礎
  • オペレーティングシステム
  • ソフトウェア工学Ⅰ
  • 画像情報処理
  • 情報セキュリティの基礎
基幹科目

ロボティクス

実世界計測

IoTデータベース

応用科目

ものづくり実習

情報科学実践演習
(国内PBL)a

情報科学実践演習
(国際PBL)

情報科学実践演習
(国内PBL)b

演習科目
3年前期 3年後期
数理科学

確率・統計

数理計画法

微積分学Ⅱ

線形数学Ⅱ

専門基礎
基幹科目

Webプログラミング

コンピュータビジョン

応用科目

システムプログラム

ソフトウェア工学Ⅱ

ヒューマンインターフェース

ロボット対話システム

メディア通信概論

演習科目
  • ソフトウェア工学演習
  • 実世界情報専門演習

実世界情報応用演習

  • 必修

※ 本学科の専門科目を掲載しています。その他にも外国語、理学系、人文社会系、キャリア科目等もあります。

取得できる資格

  • 中学校教諭一種免許「数学」
  • 高等学校教諭一種免許「数学」「情報」
  • 基本情報技術者試験 など

養成する人材像

道路・空中・建物内をはじめとする実世界の情報を、カメラやGPSなどを通して正しく認識できる


認識した情報をサイバー(情報)世界に集積し、学習用データに加工してAI処理に活用できる


集積したデータやAI処理結果をドローンや自走車の自律制御など新技術の確立に活用できる


“情報”を通して社会の課題を解決し、より良い未来社会を実現できる人材へ

活躍が想定される分野

電気・電子・通信機器製造業(IoT機器の開発製造)、ソフトウェア開発業(業務用ソフトウェア開発)、通信・電力等ライフライン運営業(インフラ設備の遠隔運用監視)など

よくあるご質問

実世界情報学科は、どのような学科ですか?
他学科と比べてどのような特徴がありますか。
実世界で起きている様々な課題を情報科学技術で解決する力を身につける学科です。プログラミングやAIを活用するスキルが身につく点は情報科学部共通ですが、実世界情報学科では、実世界の課題を対象にAIを始めとする情報科学技術をドローン・ロボットや様々な環境機器の制御に使うなどの応用的な取り組みに特長があります。
新しい学科ですが、どのような就職先になりますか?
新設学科ですが情報科学部全体としての就職支援が行われますので、これまでの実績どおりの高い就職率(98.8%: 2023年)を見込んでいます。プログラミングやAI活用のスキルが活かせるIT(情報技術)企業やソフトウェア開発企業をはじめとして、IoT(モノのインターネット)を活用する電子機器製造企業などが想定されます。
機械的な工作を学ぶのでしょうか?
本学科の学びはあくまで情報科学技術分野になります。具体的には、ドローンやロボットの既製品を利用するためのプログラミングのほか、IoT機器を賢く制御するAI技術を学び、DXを実現する情報システムを構築できる力を養います。なお、学生プロジェクトや卒業研究の中には、ロボットの機構や制御を扱うものがあり、プログラミングだけでなくモノづくりにも興味のある皆さんは、希望により機械的な工作に参画することもできます。
ドローンの操縦についてどのような技術を身につけることができますか?
実世界情報入門等の授業でドローンを操縦するために必要な法律や操縦技術の基礎を学ぶことができ、また、研究プロジェクトに参加して、連携しているドローンスクールから学科試験や操縦技術に関するアドバイス等を受けることや、新施設のDXフィールドを活用することでドローンの操縦技術を練習することができます。それらを通じて訓練を積めば、国家資格である「無人航空機の操縦者技能証明制度(操縦ライセンス制度)」も目指すことができます。
学費、キャンパスまでのアクセス、入試関連情報を教えてください。
以下の本学入試ページをご覧ください。
https://www.oit.ac.jp/japanese/juken/