10月25日(金)、本学梅田キャンパスにて第3回学内研究会を実施しました。研究メンバーを含む22名が出席し、活発な質疑応答が交わされました。
冒頭の挨拶で、副学長の小寺正敏教授より「研究ブランディング事業(OIT-P)と大学教育再生加速プログラム(AP)高大接続改革推進事業は、車の両輪である。このうち、研究ブランディング事業は大阪工業大学の技術力を示すものでもある」との話があり、
続いて、メンバー3名から研究の進捗状況について以下のとおり報告がありました。
◆◆研究成果の報告◆◆
【ロボティクス&デザイン工学部 ロボット工学科 倉前宏行 准教授】
自動車車体用アルミニウム合金板材のプレス成形性向上を目的とし、板材創製における圧延プロセスパラメータを最適化するためのマルチスケール結晶塑性有限要素解析に基づくプロセスメタラジーについて発表した。2段の異周速圧延過程において上下ロールの異周速比を設計変数とする離散最適化を行った。この結果、通常材と比べ成形性が1.7倍向上することを確認した。さらに、再結晶温度を超える熱間圧延における動的再結晶を考慮可能なマルチスケール解析法を開発し、圧延温度による集合組織発展の差違、および圧延後板材の成形性について解析結果を紹介した。
【ロボティクス&デザイン工学部 ロボット工学科 谷口浩成 准教授】
ソフトロボティクスによる医療福祉機器の開発というタイトルで、空気圧ソフトアクチュエータを用いた足関節運動装置の開発と前腕動力義手の開発について報告した。足関節運動装置は、底背屈運動のみならず内外反運動を提供できる点に特徴がある。ユーザー試験の結果から運動装置としての有効性を確認した。また、前腕動力義手では、柔軟な関節構造により、様々な物体の把持できることを示した。
【工学部 機械工学科 伊與田宗慶 講師】
超ハイテン材の抵抗スポット溶接継手における接合強度向上について、溶接部特性の硬さ特性に着目して、硬さを制御可能な金属箔インサート手法を用いた継手の接合強度の比較を行った。金属箔にはニッケル箔を採用し、ナゲットの硬さを低下させた時の継手強度について調べたところ、ニッケル箔の添加濃度の増加に伴いナゲットが軟化、また継手強度が向上することがそれぞれ示された。
その考察として、数値シミュレーションを用いた構造解析を実施し、継手強度向上のメカニズムは、ナゲット軟化に伴うシートセパレーション先端の変形能向上が要因であることが明らかとなった。
次回は、11月21日(木)10時より大宮キャンパスで、OIT-P学内研究会を実施する予定です。