大阪工業大学 環境工学科

熱エネルギー工学研究室

Thermal energy engineering Lab.

熱エネルギー工学研究室では

近年、エネルギーの有効利用がますます重要さを増しています。エネルギーの変換効率の改善や運転効率の向上には伝熱現象の正確な把握が必要です。エネルギーの利⽤には必ずと⾔っていいほど熱の移動現象を伴います。当研究室では熱の移動現象に関する研究テーマに取り組みながら熱エネルギーへの理解を深めます。顕熱処理・潜熱処理方法に着目した植物工場の省エネルギー化や、熱エネルギーを利用した計測技術の開発などに取り組んでいます。

植物⼯場のエネルギー高効率化

 天候に左右されず野菜を安定して⽣産できる植物⼯場に注⽬が集まっています。しかし植物⼯場は⽣育に必要な環境を維持するために多⼤なエネルギーを消費します。植物⼯場が広く普及するにはエネルギーの利⽤効率を⾼めることが必要です。植物⼯場は明期と暗期による温度の変化や植物の蒸散による湿度の変化など、複雑な温湿度の変化を考慮した空調システムが必要です。本研究室では⼤阪府⽴⼤学と共同で実稼働中の「完全⼈⼯光型植物⼯場」のエネルギー利⽤効率化に関する研究を⾏っています。

光音響法による熱的性質の計測

 伝熱現象を正確に把握するには、対象物の熱的性質を定量的に知る事が必要です。当研究室では光熱変換法の1つである光音響法を利用し、非破壊で迅速、かつ簡便な熱的性質の計測技術の開発に取り組んでいます。
 対象物の表面を光で周期的に加熱します。すると表面に周期的な温度変化が生じます。それが表面の空気にも伝わることで空気の圧力が周期的に変化して音が発生します。この音を観測することで対象物の熱的性質を測定する事ができます。表面から加熱して同じく表面から測定するので対象物を特別に加工する必要がなく、非破壊であるがままの状態で測定することが可能です。また加熱の周期を変化させることで対象物の深さ方向の情報が得られる特徴もあります。通常測定が難しい、薄くて小さな材料の熱物性計測や、取り扱いが難しい液体の熱物性計測、また皮膚の熱物性値を切り取ることなく計測すること等もできます。

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