第2回「天文と文化」企画展
天文文化研究会30回の歩みと 生活の中の天文学
Commemorating 30 Workshops of the Cultural Studies of Astronomy:
& Astronomy in Daily Life
2025/12/11 update (まだ準備中のページです)
展示会概要 /
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展示内容 /
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メンバー
展示会概要
天文文化研究会の第30回開催を記念して,2007年の発足以来今日まで継続してきた研究会の足跡について,その概要を梅田キャンパス来場者に紹介する展覧会を企画しました.今回の展示は「天文と文化」をテーマとする企画展の第2弾となるものです.
天文文化研究会は,従来,文系と理系とに二分されて分断されたかに見え,また細分化され過ぎたとも感じる学問領域の垣根を越えて,「天文」を軸に文化史と科学論の議論を結びつけ,より高次の概念としての自然観(世界・宇宙)を総体として一貫性をもって取り上げようとする野心的な領域の確立を目指すものです.特定の研究者に閉ざされた研究会ではなく,この分野に関心のある多くの人々に開かれたものとして,研究成果のアウトリーチ活動は特に大切であると認識して開催する展覧会です.
この重要性に鑑みて今回は「生活の中の天文学」を取り上げ,身の回りの星図デザイン,天体インテリアグッズ,天文知育玩具など,さまざまな天文関連資料を通して,生活と天文学との接点を再認識する機会を来場者に提供したいと企画しました.「天文文化研究会」の設立意義と役割を振り返るともに,新たな賛同者を得る機会ともなれば幸いです.
- 開催期間:
2025年12月20日(土) 9:00~19:00
2025年12月21日(日) 9:00~15:00
入場無料
- 開催会場:大阪工業大学 OIT梅田タワー 1Fエントランス・ギャラリー(東側) 会場アクセス
開催案内ポスター 開催概要リーフレット
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展示紹介ビデオ
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展示内容
Part I.天文文化研究会30回の歩み,研究紹介
Introduction to Cultural Studies of Astronomy
天文文化研究会の会員各位の専門分野は,国文学,国語学,英語学,歴史学,美術史,民俗学,教育学,天文学,理論物理学,数学,科学史など,実に多様です.この度,第30回の研究会開催にあたり,第29回までの研究発表について,開催日,発表者,発表タイトルを一覧できるようにパネルにまとめました.のべ145件の研究成果です.展覧会の会場に掲示したパネルでご確認ください.多様な発表タイトルが並ぶのは,上掲の本会の研究目的を反映するものです.どの研究発表においても,文系理系の垣根を超えた活発な質疑応答が交わされてきました.今後,一層活発な活動を展開します.
Part II.生活の中の天文学 Astronomy in Daily Life
①:星座・星景写真
大阪工業大学は,2010年7月26日に奈良県川上村と締結した協定に基づき,自然豊かな同村を舞台にさまざまな活動を展開しています.川上村で夜空を見上げると,まさに星の降るような光景を目にします.美しい星景写真と代表的な88星座の配置を紹介します.星空が日常の景色であることに改めて気づくのではないでしょうか.
②:天体の位置・観測
人類は天体の運行に規則性を見出し,長い歴史の中でさまざまな意味づけを行なってきました.占星術では,天体の位置が国家や個人の運命を左右すると解釈され,科学が発展して精密な観測が可能になると,宇宙の起源や広がりまで探究の対象となりました.身近な観測器具には,星座早見盤やアストロラーベがあります.
- 星座早見盤 (1ファイル)
- 中世のコンピュータ アストロラーベとは
- デザインしてみよう 現代のアストロラーべ
③:教育・知的玩具
学校の理科や物理などの教科では,天体の運行を理解するために各種の器具が利用されています.太陽系儀,月球儀,火星儀などです.天体の運行には周期性が認められるものも多く,その計測には時計が必要になります.時の経過を知るための身近な器具である日時計や砂時計も含め,一部の展示物は手に取ってご覧ください.
④:切手・絵葉書
さまざまな思いを伝える手段に手紙や葉書があります.PCやスマートフォンの利用が情報伝達の主流となった現代社会では,手書きの文字で思いを伝えることには特別感があるように思われます.郵送に必要な切手,便箋,葉書に天体モチーフがあると,一層特別感があるように感じるのは宇宙の神秘のせいでしょうか.
⑤:デザイン・キャラクター
最先端の科学・技術を用いて解明しようとしても,いつも神秘的なベールに包まれる宇宙や天体は,その不思議な美しさもあって,さまざまな場で意匠の中に取り込まれてきました.バンダナや扇子など身に着けるものにデザインされたり,七夕をモチーフとする愛くるしいご当地キャラクターも生んでいます.
⑥:小説・マンガ
宇宙や天体をテーマとする小説やマンガでは,天文学についての一定程度の知識が読者に求められます.「星の王子さま」のような童話や,「パーマン」「ドラえもん」などのマンガを大人になって読み直してみると,それらは天文学の知識に裏打ちされた創作であることを改めて知ることになり,新鮮な驚きがあります.
リンク
- 天文文化学のホームページ
- 松浦清・真貝寿明 編 『天文文化学の視点 星を軸に文化を語る』(勉誠社,2024年10月,定価 3,850円(税込),ISBN 978-4-585-32542-0)勉誠社のページ
天文文化企画展 メンバー
- 松浦清 (大阪工業大学工学部)
- 鳥居隆 (大阪工業大学ロボティクス&デザイン学部)
- 井村誠 (大阪工業大学知的財産学部)
- 岩橋清美 (國學院大學文学部)
- 嘉数次人 (大阪市立科学館)
- 株本訓久 (武庫川女子大学社会情報学部)
- 清水健 (東京国立博物館)
- 真貝寿明 (大阪工業大学情報科学部)
- 玉澤春史 (東京大学/京都市立芸術大学)
- 横山恵理 (大阪工業大学情報科学部)